バックミラーに映った人影を見て、尾崎は車を停めた。
あれは、お蝶夫人?―――尾崎は急いでウインドウを開けると、竜崎麗香に声をかけた。
「お蝶夫人、久し振りです」「あら、尾崎さん。お久し振りですわね」
「今、お帰りですか?良かったら、お宅までお送りしましょうか?」「よろしいんですか?お忙しいのじゃなくて?」
「いえ、かまいませんよ」「それじゃ、お願いしようかしら……」
麗香は、助手席に乗った―――尾崎に送ってもらうのは、久し振りだった。
「尾崎さん、お忙しい?司法試験に合格されたんでしょ?おめでとうございます」
「僕より、お蝶夫人。司法修習生として、実習、忙しいんじゃないですか?」
「お互い様です。藤堂さんは、お元気ですか?」
「あいかわらず、岡君と仲良くやってますよ。あいつも修習生になったんですが、テニスはやめられない。岡君の為にも」
「そうですか……私もテニスをやめたわけじゃないんですけど、今はとても……」
「忙しいのはお互い様ですね。今度、一緒にプレイしませんか?久し振りに」
「ええ、そうですわね。ところで、尾崎さん。今日は、この後のご予定は?」
「別に……家に帰るだけですけど、何か?」
「一緒に海に行っていただけません?―――」
思いがけない竜崎麗香の誘いに、尾崎は一緒に海に行った時の事を思い出した。
「海って……急にどうしたんですか?」
「別になんとなく……尾崎さんにお会いしたら、なんだか急に行ってみたくなって……あの海」
「めずらしいですね、あなたがそんな事を言うなんて」
「久し振りに『お蝶夫人』って呼ばれたら、懐かしくなりました。尾崎さんと行った、あの場所」
麗香にそう言われて、尾崎は黙って、ハンドルを一緒に行った海の方角へ向けた。
(懐かしいな……海か……)

尾崎は車を走らせた。ハンドルを握りながら、助手席に座る竜崎麗香の横顔とチラッと見た。
(お蝶夫人……なんだか雰囲気が変わったな)
司法修習生らしく、黒のスーツに身を包んだ麗香は、以前より大人っぽい。
「お蝶夫人、その黒いスーツ、よく似合いますね」
「これ?司法試験に合格した時に、父が買ってくれましたの」
「そうですか。とても素敵です。あなたに黒は良く似合う……」
「そうですか?黒って、なんだか禁欲的な色ですよね。そう、思いません?尾崎さん」
「そうですね。とても禁欲的だ……」
(禁欲的か――お蝶夫人に対する、俺の気持ちそのままじゃないか。そうだ……この人と前に海に行った時も黒を着てたな)
尾崎は、どこまでお蝶夫人に禁欲的でいられるか、自信が無かった。


「着きましたよ。お蝶夫人」
沈む夕日の中に、男波がひとつ……女波がひとつ……あの日と何も変わらない……
「綺麗ですわね……尾崎さん。あの波……私が、あの日見た波と同じです。私は、またこれが見たかった……」
「あなたが見たければ、いつでもご一緒しますよ…お蝶夫人」
「そう……尾崎さん」「これだけ言ってもダメなんでしょうね。あなたは、元々藤堂の事が好きだったから」
「藤堂さん?そうね、確かに最初はそうでした。でも、ひろみが……あの人を……嫉妬してるわけじゃないんです」
「わかってますよ、お蝶夫人。岡君の理解者は、藤堂や宗像コーチだけじゃない。あなたというテニスに導いた母がいたわけです」
「そう言って下さって嬉しいわ、尾崎さん。私の一番の理解者は、あなたなのかしら?」
「そうあって欲しいですね、お蝶夫人。あなたは、藤堂ばかり見ていたから……俺の事は眼中に無かったんでしょう?」
「まさか……男子部キャプテンの尾崎さんの事が眼中に無かったなんて、そんな事はありません」
「どうですかね……結局、俺は、シングルで高校学生チャンピオンの藤堂に勝つ事は無かった。女子チャンピオンのあなたと並ぶには
 無理があったわけです。藤堂……確かに、今でもダブルスを組んでいた時の様に、一番のパートナーはあいつなんですけど」
「尾崎さん……そんな事を仰るなんて、なんだか、あなたらしくありませんわ。それに……」

竜崎麗香は、尾崎の片手を取り、両手で強く握り締めた。
「あの日、海へ来た時に、こうして手を貸して下さったでしょう?忘れたの?」
「お……お蝶夫人……」――麗香にいきなり手を握られ、尾崎は動揺した。
「あの時の自信はどうなさったの?あれ以上は、私に優しくしてはくれないのかしら?」
麗香は、運転席の尾崎に体を投げかけると、そのままシートをゆっくりと倒した。
「尾崎さん……」「お、、、お蝶夫人、、、いきなりですね、、、」
「いきなりで悪いかしら?尾崎さん。それとも、迷惑かしら?」
「そ、、そんな、、、お蝶夫人、、、構わないんですか?こんな所で、、、」
「気紛れかしら?藤堂さんやひろみみたいに……そうなっても構わないと思いません?尾崎さん」
麗香は、尾崎の上に乗ったまま、黒いスーツのボタンを外し始めた。
尾崎は、麗香の黒いスーツのボタンが外されるのを見て、慌てて自分のスーツのボタンを外した。
白いブラウス一枚になった麗香は、尾崎に告げた――「外して下さる?尾崎さん……」
尾崎は、震える手で麗香のブラウスのボタンを一つ一つ外していった。
尾崎がボタンを外し終わると、麗香は白いブラウスを脱ぎ捨てた。
ブラジャーだけを身に着けた麗香の白い胸の谷間が、尾崎の眼前に広がった。
麗香は、尾崎のシャツのボタンを外すと、ズボンのファスナーに手をかけ、それをゆっくりと引きおろした。
「尾崎さん……リターンマッチです。
 男子部キャプテンだった、あなたの力……どれ程、藤堂さんより強いか?見せていただけるかしら?」
引きおろされたファスナーの隙間から、麗香の白い指先が差し込まれた。
「うっ!―――」麗香の指先が、尾崎のモノをギュッと握った。
「さすが尾崎さんだわ。私の思った通り……力強い……これなら、良いミックスダブルスを組めそうですね」
「一度組んだ事があるじゃないですか?お蝶夫人……覚えてますか……」
「ええ、覚えてます。あの時、ひろみと藤堂さんのダブルスは見事でした。今の二人みたいに」
「俺とあなたもそうなれると?」「それは、あなた次第です……」
麗香はそう答えると、尾崎と唇を重ねた。


「うっ……うっ……」麗香は、尾崎の唇を割り、舌を差し込んだ。
 麗香の舌は尾崎に絡みつき、片手はグリップを扱う様に、尾崎のモノをゆっくりと力強く扱いていった。
「はっ…ハァ……は……」手馴れた麗香のグリップ捌きに、尾崎は手だけでイキそうになる。
「くっ……あ……あぁ……」
(さすがお蝶様だ……俺は、もたないかも……)
「まだ、早いわ。尾崎さん……」「えっ!――」「リターンも無しにイクには、早すぎます」
 麗香は、尾崎の様子から、思ったよりもたないだろう事を感じていた。
 攻めは慎重にしなければ……尾崎とは、初めての公式戦だ。尾崎が緊張するのも無理は無い。
 テニスならもたない相手は楽勝だ。でも、これは違う………ラリーは続く方がいい。

 麗香は、尾崎から唇を離すと体を下へ移動させ、引き出されていたモノを口に含んだ。
「ウッ―――」麗香は尾崎のモノにねっとりと舌を絡めると、唇と舌を使って、それを刺激していった。
 麗香は根元をしっかり握り、尾崎が直ぐに<白球>を放つ事が無い様にした。
(つ…うぁ……お、、お蝶様、、さすが、舞う蝶の如くプレイすると言われた人だ、、、舌使いも相当なものだな、、、)
 くちゅ・・・・ちゅ・・・ちゅく・・・「う、、、あっ、、、お蝶夫人、、、」
「尾崎さん。このまま、私には何も無しですか?……ずっとこのままなら、私がアドバンテージを握りましてよ……」
「な、、何も無しなんて、、、そんな、、、」
 麗香の一方的な攻めに耐えていた尾崎は、せめてデュースに持ち込む為に攻めに転じた。
(このまま、0(ラブ)ゲームで終わらせるものか……見てろよ!藤堂!)
 尾崎は体を反転させ、麗香の体を助手席に押し付けた。
「あぁっ!……尾崎さん、いきなり……」尾崎は、麗香の背中に手を回し、ブラジャーのホックを外した。
 尾崎の目の前に、麗香の乳白色の乳房が露わになった。
 西高時代、よくテニスウェアの下に想像した竜崎麗香の豊満な乳房だった――想像では無く、ホンモノだ。
「俺の思った通り……綺麗な形ですね、お蝶夫人」「尾崎さん……」
 尾崎は夢中で、麗香の乳房にむしゃぶりついた。
 西高テニス部にいた頃は、よく妄想したものだ。何度も何度も飽きる事無く、妄想の世話になったものだ。
 妄想がエスカレートした夜は、時々おかしな夢も見た。
 それは、岡ひろみと藤堂貴之がテニスウェアのまま絡み合い、それに、何故か『おチバ』が絡んだ妙な夢だ。
 翌日は、藤堂や千葉と顔を会わせるのが恥ずかしい位だった。
 ちゅぷっ・・・ちゅく・・・ちゅぷ・・・「アァ!!!――尾崎さん!!!―ハァ、、ハァ、、ハ、、」
 尾崎は麗香の乳房を吸いながら、片手を麗香の秘所に伸ばした。
 そして、指を花弁の中に差し込んでみる――(まだ、潤いが足りないな……ここで、一気に攻勢に転じるか……)


尾崎は麗香の花弁に顔を近づけると、自分の舌をその上に這わせた。
麗香のソレは、いつもプレイ中に見せる、上気したバラ色の頬と同じだった。
尾崎はバラ色の少し突起した部分に舌を這わせた――「ひゃあぁ!!!ヤッ――イヤぁあ!!!、尾崎さん!!!」
はふっ・・・ちゅく・・・ちゅく・・・「アァッ―――アアァ――アァ――ダメェ、尾崎さん!!!」
乱れた麗香の喘ぎ声に、尾崎は夢中でその部分を吸い上げ、舌を這わせた。
花弁から、溢れる様な蜜の滴りが、助手席のシートを濡らしていった。
攻勢に転じた尾崎はデュースに持ち込む事に成功し、そして、一気にアドバンテージを握った。
尾崎はズボンを脱ぎ捨てると、自分のモノを麗香の秘所目掛けて突き上げた。
「アァッ!!!――アッ!!!――あ、、あぁ、、あふっ、、あぁあああーーーー!!!!」
「お、、お蝶夫人、、あぁ、、あ、あ」
西高時代から、ずっと夢見た竜崎麗香の肉体―――尾崎は、漸くそれを手に入れた。永い永い時間をかけて……
尾崎は激しく麗香の肉体を攻め、一気にフィニッシュに持ち込むつもりだった。
しかし、『西高テニス部の女王』は、攻められるだけで終わる様なヤワな女では無かった。
このまま、尾崎の好きな様にされる事を女王のプライドが許す筈は無かった。
尾崎の体に組み敷かれていた竜崎麗香は、体を反転させ、逆に尾崎の体の上に来た。
「お、、尾崎さん、、このまま、終わりではありませんわ。今度は私の番です」
麗香は尾崎のモノを自分自身の体に咥え込んだまま、今度は激しく腰を使い始めた。
麗香の肉体は、尾崎のモノに弛緩し、締め上げ、強弱を繰返しながら尾崎を攻め立てた。
「あぁああーーっ!!!−−アァ!!!−−−お、、お蝶夫人!!!−−−」
「はぁっ、、、ハァ、、、ハァ、、、い、、いかがです?、、尾崎さん、、、」
「す、、すごい、、、すごすぎます、、、一気にイキ、、そ、、あぁ、、、さすが、、超高校級、、、
 み、、緑川、、、蘭子さん、、でも、あなたにはかなわない、、ぃぃ、、」
「緑川さん?……緑川さんとも、こうしたいの?……私よりも?」
「い、、いいえ、、いいえ、、お蝶夫人、、、あなた、だけでいい、、、あなただけだああぁーーーつ!!!」
麗香は尾崎の言葉を聞くと、満足そうに微笑んだ。
「お、、お蝶夫人、、、もう、これ以上は、、、もちません、、、中に、、出しても、、いいですか?、、、」
「はぁあ、、ハァ、、あ、、よろしくてよ……尾崎さん、、、この、一球は絶対無二の一球!!、、、
 あなたの白球を、、、わたくし、、、すべて受け止めます!!!」
「お蝶夫人―――っ!!!」
尾崎の絶対無二の一球は、すべて麗香に放たれた―――。


「ハァ、、ハァ、、ハァ、、」「あふっ、、、はぁ、、あ、、」
「お蝶夫人……」「尾崎さん……」
「すみません……お蝶夫人……本当なら、2回戦にいくべきですが、もう、俺は、、、胸が、、、」
「構いませんわ……わたくしも……なんだか……全力投球しすぎました……」

いつの間にか陽は落ち、辺りは暗くなっていた―――
「お蝶夫人……弁護士になるつもりなんですよね……」
「ええ、尾崎さんも藤堂さんも、そのつもりでしょ?」
「そうです……二人ともそのつもりです。でも、藤堂はともかく……俺は……」
「どうかなさったの?」「もし、あなたと法廷で対決する様な事になったら、俺はあなたに勝てるかな……」
「尾崎さん。テニスと法廷は違います」
「そうですね。確かに……」
「尾崎さん。暗くなりましたね……帰りましょうか?」
「そうですね、もう、こんな時間ですか……」
「尾崎さん。今日のあなたのプレイ、見事でしたわ。さすが、西高男子部キャプテン……次回のプレイ、楽しみにしています」
「お蝶夫人……今度はフルセット……必ずです」

終わり