(あら・・・?藤堂さん・・どこにいっちゃったのかしら・・?)
隣に寝ていたはずの藤堂がいないことに気づき、ひろみはそっと障子をあけて
廊下の様子を伺った。寺の夜は漆黒の闇だ。寝床に戻ろうとして、ひろみは
ふとかすかな物音が聞こえた気がした。
(なにかしら・・・?)
真っ暗な廊下をそっと進んでいくと、奥のほうからかすかな光が見える。
(何?・・誰か泣いてる?)
廊下を進むにつれて、かすかな泣き声のような音が徐々に大きくなってくる。
光が漏れてくる部屋の手前で、ひろみははっと立ち止まった。
(違う・・泣き声じゃない。あれ・・あれは女の・・・)
その時、ひろみの耳に紛れも無い女の喘ぎ声がひときわ大きく聞こえ、
次の瞬間、ひろみは心臓が凍りついた。
「あぁっ・・・いいわ・・・貴之・・・あうっ・・・」
(う・・うそ・・・うそよ・・・緑川さんの声・・?緑川さんが藤堂さんと・)
「やぁ。こんな所で立ち聞きとは、これいかに。」
突然、真後ろから声をかけられてひろみは思わず飛び上がってしまった。
「お、尾崎さん・・・」
「やあ。う〜ん・・こりゃまずいなぁ・・・まあしょうがないか。おい、藤堂
悪いな。入るよ。」
尾崎はひろみの目の前の障子をからっと開けた。そこにはまぎれも無く裸体の
藤堂の姿があった。その藤堂の身体に跨っているのは美しい乳房を藤堂の
大きな手で愛撫されながら激しく腰を振っている緑川蘭子だった。
尾崎が部屋に入っても、睦み合う2人はまったく悪びれる様子も無い。
「はぁっ・・・んっ・・・いいわ・・・あ・ら・・悪いわね・・岡さん・・
んっ・・いいわ・・貴之・・・最高よ・・・」
「お楽しみのとこ悪いね。おい、藤堂。どうすんだ、このお嬢さん。
ショックで口もきけなくなってるよ。」
あまりの出来事に立ちすくんでいるひろみの姿を藤堂はちらっと見た。
「まあ・・・ばれちゃしょうがない・・おい、お蘭。ちょっとひかえてよ。
イキそうだ・・」
「だめよ・・・まだ・・・はぁうっ・・・もっと・・もっとちょうだい」

「あっ・・・はぁっ・・いいわよ・・・貴之・・・もっと・・・・んっ・・
はぁっ・・・ねぇ・・・尾崎くん・・見てるだけじゃつまんないでしょ・・
岡さんにしてあげたら?・・・あはっんっ・・・・」
「ふ〜ん・・・いいか?藤堂。一度ためしてみたかったんだよな。お前さんの彼女」
「・・・いいさ・・・少し暴れるぞ・・・気をつけろ・・ううっ・・お蘭・・
最高だよ・・」
(うそ・・・うそよ・・・これは夢だわ・・こんなこと・・・)
あまりの衝撃にひろみは身体がうごかなかった。尾崎がひろみの身体を抱きかかえ
畳の上に押し倒す。しかし頭の中が真っ白になっているひろみは抵抗する気持ちも
起きなかった。
「あれ?ずいぶんおとなしいねぇ・・・それじゃぁ遠慮なく・・」
ひろみの浴衣のすそを捲り上げる。尾崎の手がひろみのひきしまったふとももの
内側をなであげながら、首筋に唇を這わせた。その瞬間、ひろみの意識がはっと
戻った。懸命に尾崎を突き飛ばそうとする。
「やっ・・・いやっ・・・やめてくださいっ・・・」
その両手をしっかりと押さえられる。
「おっとっと・・・そうこなくちゃ・・いい子だねぇ・・可愛がってあげるよ」
むりやり両手首を押さえつけられ、尾崎の唇と舌がひろみの肌を這う。おもわず
ひろみの身体がびくんと震えた。
「お?感じた?へぇ感度いいんだ・・・まったくうらやましいよ・・こんな身体を
独り占めしてたんかい?」
暴れるひろみの浴衣の襟元を大きくはだけ、あらわになった乳房を尾崎の手が
揉みしだく。
「やぁ・・かわいい乳首をしてる・・感激だなぁ・・」
乳房をやわらかく揉み上げられ、その乳首を舌で舐められたときひろみは思わず声を
上げてしまった。
「はぁうっ・・・んっ・・・」
尾崎が喜んだのは言うまでもない。お蝶とはまったく違う少女らしさが残る
ひろみの身体にそれほどの魅力を感じていなかったはずなのに、その感度の良さに
興奮してきたのを感じる。
「おい、藤堂。いいねぇ・・・彼女・・・もらっちゃうよ・・本気で・・」
乳首を口に含み、舌の先でちろちろと突く様に舐め上げる。左手でひろみの身体を
おさえつけながら、太ももへの愛撫の手は休めない。下着を取り去ったひろみの
秘所に尾崎の指が入り込んでいく。ひろみは絶望的な気持ちになりながらも、
思いもよらない快感を感じてしまっていた。
(やだ・・・なぜ私・・・でも・・・尾崎さん・・・上手・・・)
ゆっくりとした優しい愛撫。藤堂よりも執拗な指の動きが、思わぬ快感をもたらして
いた。大きく撫で擦る動きで確実に敏感な部分を責めてくる尾崎の指。
乳首も同時に舌で、指で好きなようになぶられ、首筋を這う唇。同時に数箇所を
責める尾崎の性技にひろみの身体は熱く燃え上がろうとしていた。抵抗する
気持ちも薄らいでくる。
「はあっ・・・やめて・・・やめ・・てください・・尾崎さん・・・いや・・」
声が徐々に甘くなっていく。愛液がとろけ出してくるのがわかる。尾崎も指を
濡らす熱い粘液を感じて興奮がましてくる。くちゅくちゅとかき回される音が
隠微にひびく。尾崎の指の動きによって官能の渦に飲み込まれそうになりながら
ひろみは、藤堂とお蘭の絶頂を迎える激しい喘ぎ声を遠くに聞いていた。


尾崎がひろみを抱き起こした。ひろみにはもはや嫌悪感も羞恥心も残っていなかった。
尾崎からの次の行為を期待してしまう。乱れた浴衣をそのままに尾崎の膝の上に足を広げて
すわらせられたひろみは、お蘭の身体の上に突っ伏している藤堂の姿を見た。
藤堂の身体の下からお蘭が身を起こす。
「はぁっ・・・よかったわよ、貴之・・・でもいつもより我慢がたりなかったんじゃない?
岡さんの様子が気になるってわけ?・・まぁ許してあげるわ。わたしはお邪魔でしょうから
失礼するわね。大悟のところに行くの。」
「大悟のとこって・・・お蝶さまがいるはずだ・・・今夜」
「ふふっ・・知ってるわ。だから行くのよ・・・じゃねお楽しみ」
ふわりと薄い寝着をはおると、お蘭は出て行った。藤堂はうつぶせになったまま
呻くように言う。
「・・・ったく・・お蘭にはまいるよ・・おい、尾崎いいのか?お蝶さま、桂さんの
所へ毎晩行ったきりじゃないのか?」
「・・・あん?・・まぁ仕方ないさ・・あの御仁は抜かずの三発だそうだぜ。できるか?
そんな真似。」
「まいったな・・・スケールが違う・・・おい、尾崎お前ずいぶんと・・・」
尾崎は膝に抱いたひろみに自分のものを突き入れたまま、ひろみの形の良い乳房を
ゆっくりと愛撫していた。官能に喘ぎ、時折のけぞるひろみの喉元に唇をはわせる。
ひろみは尾崎をねっとりとした目つきで見つめながら、自分で腰を動かし快楽の渦に
完全に取り込まれていた。尾崎の大きな手がひろみの腰をやさしく掴みゆるやかに
動かす。その度にあらたな波がひろみを襲っていた。
(すごい・・・尾崎さん・・・こんなのはじめて・・・とろけちゃいそう・・・)
藤堂が険しい目で自分をみつめているのがわかる。
(だって・・・藤堂さんよりすごいんだもの・・・尾崎さん・・素敵・・・)
「あんっ・・・はぁうっ・・・いい・・・すごい・・・」
「感じてるね・・・君もすごくいいよ・・・もっと愉しもう・・・とりあえず
イカせてあげるね・・・」
そういうと、尾崎はひろみの腰をぐっと掴み、数回突き上げた。絶頂の手前で
微妙にじららせていたひろみの身体はその動きで難なく頂点に達した。
ぐったりともたれかかる汗ばんだひろみの身体をやさしく尾崎は抱きしめる。
「よかったかい?・・・夜はまだ長いよ・・・なぁ藤堂」
にっこりとほほ笑む尾崎に、藤堂は疲れたように言った。
「まかせたよ。・・・今夜はお前の腕・・・じっくりと見させてもらう。お蘭の
相手で疲れた・・・」
「そうかい?じゃあそうさせてもらう。・・・こんなに興奮するのは久しぶりだからね。」