竜崎麗香は眠れなかった。
体は、毎日続く昼間のテニスの猛特訓で疲れ果てているのになかなか寝つけない。
木戸の外が騒がしいからかもしれない。
外は嵐だ。激しく雨が降っている。稲妻の閃光と共に雷鳴が轟く。
「ひろみに追い越されたままにはしておけない、それは緑川さんも同じ気持ちのはず。だからあたくしふたりで桂コーチの寺にこもり、特訓を受ける決意をした…覚悟はしていたはず」
麗香はお蝶夫人と呼ばれ今現在も日本でもトップの実力を持つテニスプレーヤーだ。
かつて超高校級と賛美され、今でもよきライバル緑川蘭子とともにふたりでこの寺に転がり込んだ。毎日テニスの特訓を受けている。
 豪華な金髪の巻き毛は、襟足から頭に向ってたくしあげ、枕を這
っている。長い髪の毛の裾には畳があたっている。
桂大吾が住職を務める古寺の生活は、あまりにも日常生活とかけ離れていた。
西欧風の屋敷に家政婦が用意する紅茶、ここにはそれらがなにもない。周囲がほの暗い頃から鐘の音で目を覚まし本堂を掃き清める。不自由な生活そのもの。
それでも敢えてやってきた。まだ終わりたくはないからだ。妹のようにかわいいひろみ、ペアを組みたかったひろみ…追い越されたままでは、麗香は自分自身を許せない。
「…なんの…音?」
不審な物音が聞こえてきた。
寺には襖と障子で仕切られる畳の部屋はいくらでもある。
以前訪ねてきたときは住職の大吾ひとりだった。
今回寝泊まりをしていて気がついた。
うら若い修行中の青年僧も何人かいる。
彼を慕っている者は自分だけではないのだ。
激しい雨音に邪魔をされていながらも、獣が唸るような読経のような生き物が発する物音が耳に障る。
「いったい…なんの音かしら」
麗香が布団から身を起した。
畳の部屋にはおよそ似つかわしくない、シルクでできたネグリジェ姿であった。


音を発していたのは緑川蘭子が使っている部屋だった。夜分に声をかけるのもはばかられ、麗香は静かに障子の戸に近付く。しかし、次の瞬間反射的に身を潜めた。破れた障子の隙間から垣間見た光景に愕然とした。思わず口を手で覆う。
(そっそんな!緑川さんっ・・・!)
そこには緑川蘭子が男の上に馬乗りに跨り痴態を興じていた。布団の上に寝転んでいる男の頭は剃髪されており、ここに住みこんでいる若年僧とすぐにわかる。
長身の白い裸体を惜しげもなくさらして、蘭子が仰向けになった僧の上に跨り、つながったままで前後左右、上下と激しく腰を揺すっていた。
「うおっ、うあっはああああぁぁん・・・」
黒髪を振り乱して蘭子が喘ぐ。額に汗が滲み、髪の毛がはりついている。浴衣は大きくはだけて、若くて張りのある両の乳房が揺れている。
「素晴らしい締め付けですね、あなたの弾丸サーブなみに強烈です。ああったまりません」
恍惚とした表情でゆっくりとしたリズムで蘭子を乗せた僧が腰を突き動かす。折り曲げた長い足が僧の体を挟み、けいれんでも起こしたかのように震えている。
(なんてなんておぞましいことを僧ともあろう者が、緑川さんともあろう人がけがらわしい!)
激しい嫌悪感に襲われながら、眼前に繰り広げられた男女の交接から目をはなせない。全身を震わせながらただ見つめ続ける。
「いい声でさえずってくれますね・・・本当はその声をもっと聞きたいんですが、そのお口に含んでいただけますか」
これまた丁寧な口調で蘭子の前に丸坊主の全裸の男が歩み寄る。仁王立ちでイチモツを顔に押し付ける。無言で蘭子は頷き、自ら大きく口を開け硬直したこん棒を口に含む。
「ううう・・・」
蘭子のくぐもった呻き声と同時に僧の歓喜の声があがった。
「くはああああぁっ、こっこれはっ舌使いも最高です。・・・できましたら私の根元のボールも転がしていただけませんかぁ、はあっいいですう、最高ですう・・・」
寺は古く部屋には電気がない。燭台のろうそくの火が部屋を怪しく照らす。まだ人の気配がした。三人の饗宴に邪魔にならぬほどの読経の音が低く小さく響いている。
「あの・・・私は、見ているだけでは耐えられません」
また別の若い声が部屋の置くから泣き出しそうに訴えた。読経の声がはたと止まった。
「女人の穴はもうひとつある。そちらも使え・・・」

麗香は自分の耳を疑った。姿は見えないが、まがう方無き桂大吾の声だった。
(なぜ!桂さんがここに・・・)
『どうした、お蝶!お前ならリターンエースを決められるはずだ!』昼間ネット越しに仁王立ちで厳しい檄をとばす桂大吾がこの不埒な場に居合わせている。衝撃に麗香の足がすくむ。
「は、はい。しかし女人の菊座を使ったことはありません・・・」
菊座とは肛門の別な呼び名だ。菊の花のすぼなりを連想させられるところからそう呼ばれている。若いが修行僧とあってアナルと言葉を発しない。
「同性のものとなんら変わらん・・・」
大吾の声は冷静だった。酒を飲んでいるのか瓶の中で液体がドブリと揺れる音がする。
「はい・・・でも男女のまぐわいにしてはこの状況はあまりにも背徳ではありませんか」
大吾とやりとりをしている僧は乗り気でないようだ。
「・・・背徳?背徳だと?ぐふぅっ」
大吾の声が凄みを増した。外の雷鳴に負けないほどの力強い響き。
「同性と交わるのも立派な背徳だ・・・それに背徳ならお前自身が一等慣れている・・・なあ蘭子」
閃光が走ると爆音があたりに轟いた。
「血のはんぶんつながった宗方に・・・腹違いの兄に懸想し、あきらめることができず俺にすがってきたんだ・・・」
麗香は耳を澄ます。
(なっ・・・なんということ!桂コーチは緑川さんと関係しているっ!僧であるあなたが親友の妹と・・・そんな・・・!)
「なんど俺に抱かれた・・・なんど抱きあった。相手が兄でなければいちどになんにん相手をしようが構わんのだ・・・それでいいのだ、なあ蘭子・・・お前は雁が首をやめろ」
フェラチオの和名を口にすると蘭子は頷き口をはなした。そそり立った棍棒が蘭子の唾液にまみれて姿を見せる。
「そのまま前に突っ伏して寝そべってやれ」
「うおっ・・・うう」
獣のように唸ると蘭子が、身を前に倒した。
己が跨っている男とつながったままで白い長身が若い男の体とうつ伏せに重なる。


「蘭子の穴はどちらも上等で使い勝手は最高だ。ためらうな、普段の相手と格段違うところなどない」
「はっはい!それでは蘭子どの、遠慮なく・・・」
返事のあとに衣擦れの音がする。麗香はヘナヘナとその場に座り込んだ。
(テニスの特訓のためあたくしとここにいらっしゃったのではなかったの?桂さんはすべて納得していらっしゃると?緑川さんっ!)
心の叫びに答えは返ってくるはずもない。男の上に寝そべったままの蘭子の背後に全裸の男が近付く。その豊満な尻に手をかける。そそり立たせた狂暴な造形物を押し当てた。
「ぐっはあぁ、あああっ・・・くううっ」
蘭子の苦悶とも取れる悲鳴と共に肉棒が蘭子の体にめり込んでいく。
「うあああッ!うあああッ・・・もっともっとぉぉッ!」
蘭子がふたりの男に挟まれて狂ったように叫び暴れる。
「あぁぁぁ・・・」
麗香は全身を震わせて小さな小さな悲鳴を洩らした。激しい雨音と雷鳴がすべてを掻き消す。

「どうした、お蝶!」
麗香が空振りをして勢い良く倒れこんだ。コートでは優雅な蝶であるはずの麗香が情けなくコートに這いつくばっている。桂大吾の容赦のない厳しい声がとぶ。
「動きが悪い!今のサーブくらい余裕で返せ」
麗香は無言で立ちあがった。雨上がりの土のコートは柔らかい。今は体の痛みより心が痛む。
「よし、つぎは蘭子だ」
(このふたり!・・・昨夜の痴態がとても信じられない)
気合に満ちたきびきびとしたプレー。
(あれは夢だったというの?だとしたらこのあたくしがなんといういかがわしいこと!)
「ようし!!今のリターンだ!忘れるな!・・・つぎだ竜崎、今度は決めろ!」
「・・・はい」
(そうよ、お蝶夫人と呼ばれるこのあたくしが淫らな・・・テニス以外のことを考えて心を乱すなんて、そんなことは許されない)
「やあああああ」
煩わしい考えを吹き飛ばせとばかりに渾身のリターンを打ち返す。・・・ボールはラインの外でバウンドした、アウトだ。
「竜崎!なんだ今のは!」
重苦しい雰囲気を明るい声が破った。
「コーチ!竜崎先輩、緑川さん・・・御疲れ様です!」
麗香は目を見張った。
「・・・ひろみ!」


竜崎麗香のテニスの特訓に明け暮れた寺での一日が今日も終わる。
「フンフン・・・ラララ・・・ああ、気持ちいい・・・よかった。お風呂わかしてもらって。緑川さんもコーチも滝にうたれるっていうんですもの。全員お風呂なしになるかと思っていました」
ハミングしながら、ひろみは上機嫌だ。若いはつらつとした肢体はセッケンの泡にまみれている。ひろみは笑って麗香に話しかけてくる。
「お蝶夫人・・・いえ竜崎さん、ここでの生活不便ではありませんか?ご自宅とは全然違うでしょう・・・お辛くありません?」
「えっ・・・ええ平気よ・・・」
鉄釜の長州風呂いわゆる五右衛門風呂の中に身を沈めた麗香の返事は上の空だ。
(緑川さんはおろか、桂さんもお弟子さんも滝にうたれると行ってしまった・・・きっと・・・)
昨夜での交接を野外でも繰り広げているというのか・・・熱い湯の中で背筋が寒くなる。
「でもこうしてお蝶夫人とお風呂がご一緒できるとは思いませんでした」
ひろみがはしゃぎながら湯桶にすくったお湯を勢い良く自分の体に浴びせる。テニスウェアと同じにくっきりと日焼けした健康的な若い肌、ひろみの裸があらわになる。
「だって・・・ひとりずつお湯をつかうよりいっぺんにすませてあげるほうがよろしくてよ。お弟子さんがわざわざついてお世話していてくださっているんだし」
蘭子の体を貪っていた僧がひとり、外で薪をして風呂をわかしているのだ。ひとりきりになることに言い知れぬ不安と恐怖を感じ、一番湯をすすめにきたひろみに、一緒に湯浴みしようと強引に誘ったのだ。
「すみません、お待たせしました。あの・・・アタシ、お背中流しましょうか」
顔を赤くしてひろみが麗香の顔を覗きこんでいる。同性からみてもひろみの裸は細身だが少女のそれではない。すでに成熟した大人の体だ。
「よろしくてよ。ひとりでできます」
豪華な金髪はたくしあげタオルで頭上に巻き上げた麗香が釜の中から立ちあがった。お湯がさざめく。
五右衛門風呂のイメージから程遠い白人女性があがるようだった。
お湯から漂う湯気に負けぬほど白い裸身が浮かぶ。
「わあ・・・綺麗」
みとれるひろみから感嘆の言葉がこぼれる。


麗香は本堂の前で正座をした。読経が中から聞こえてくる。
「・・・失礼します。桂コーチ、よろしいですか」
よどみなく流れていた読経の音が途切れ了解の返事がかえってくる。
今日の特訓はすべて終わりもうあとは眠るだけなのに麗香はトレーニングウェアの上下を身につけている。ネグリジェ姿でこの寺の住職に会うのはさすがに気がひける。
かといって外出用のスーツも、くるぶしまで隠れるロング丈の部屋着も身につける気分にはならなかった。麗香の部屋着なら足を晒すことにはならないがいまはとてもスカートをはく気分ではない。
正座をして背後に座る麗香に背中を向けたまま桂が問う。
「お蝶・・・なにを迷っている・・・気が乱れているぞ」
「はい、あたくしは心を乱しております。高潔な精神をもつ方々が・・・卑しい行為に、肉欲に溺れていらっしゃるのが理解できません」
麗香の声は震えていた。だが憤りの感情に任せて桂の背中に語気を荒げてまくしたてる。
「コーチ!いえ桂さん、俗世を捨て修行をしている者でも煩悩に溺れることはあるのでしょうか?親友の妹や年若いお弟子さんたちと人の道に外れた交わりに興じてしまうとはなんということでしょう!」
雷鳴が轟いた。突然豪雨が降り注ぐ。
「あ、あなたのような素晴らしい方が・・・けがらわしいことです!あたくしには信じられません!なぜですの!お答えしてください」
背中を見せた大吾の表情は読み取れない。
「・・・ずいぶん単刀直入だな、竜崎。濡れ場を垣間見たものの言い方だ」
麗香ははっとした。昨夜現場を目撃したことに大吾はやはり気がついていた。
「お前の口から煩悩と聞けるとはな・・・心と体を悩ます欲望すべて・・・欲望なくしてお前はこの世を生きていけるのか」
大吾は平静を保っている。
「人と人の体の交わりが卑しいと・・・肉欲に溺れていると・・・それは世を知らぬ生娘の言うことだ。男を知らぬお蝶、お前だから人と人の交わりがけがらわしく映る」
なんということを!あたくしが処女であることは関係ない!叫びたいのを必死で抑えた。
わなわなと体を震わせる麗香に構わず、大吾の冷静な台詞が続く。
「煩悩を、心の欲望を失うのは仏になったとき。人間としてこの世に生かされなくなったとき、すなわち死を迎え無に帰すときだ・・・われわれは精一杯に生きている」



「快楽を求めて何が悪い・・・生きているということは楽しみも苦しみも味わうことだ。生類本来がもつ欲求まで退けてどうする」
「あっ、あたくしにはわかりませんっ!人の道から外れた快楽など求めません!それこそ畜生・・・けものですわ!」
「けものも人間もおなじ生きとし生きるものだ。お蝶、何事も経験することだ。はやく女になれ。男を知らないことにははじまらん」
「なっ・・・なんですって」
麗香が顔を真っ赤にして立ちあがった。
「お話になりませんわっ!帰らせていただきます!もちろん、ひろみも!」
枠から外れそうな勢いで障子を乱暴に開ける。
「あなたのような恥知らずな方に岡さんを任せるわけにはまいりません・・・失礼します!」
麗香は大吾を軽蔑し、罵倒して、すぐにその場を走り去ろうとした。
そのお蝶の行く手を長身の体が遮る。
「緑川さんっ!おどきになって!」
麗香の美しい顔がヘビでも見たかのよう歪んだ。
「竜崎さん、どうしたのよ、大声出して。まさかお蝶夫人ともあろう人が、大吾の特訓にネをあげて逃げ帰るの」
蘭子は酔っていた。酒臭い。すこしふらついている。口元はだらしなく開いている。麗香は嫌悪感をあからさまに示した。
「おどきなさいっ!緑川さんっ、あなたお酒を・・・?」
浴衣を羽織った蘭子の胸元はだらしなくはだけている。
「ええ般若湯(はんにゃとう)をすこしね」
仏教語では酒のことを般若湯と呼ぶ。
「それに未成年でもないわ。あたしたち“オトナ”でしょっ」
蘭子の目が怪しく光った。突然腕を振り上げる。
「えっ・・・」
麗香は頭上を見上げた。蘭子はテニスラケットを握り締めていた。
強烈な弾丸サーブを放つように、ボール代わりに麗香の頭にラケットの面を叩きつける。
「あああっ・・・」
頭を強打され、麗香がその場に崩れ落ちた。
「あはははは・・・やったわ、蝶を捕まえた。はは」
蘭子が高らかに笑ってみせた。大吾の読経が雨にまぎれてあたりに響く



「さあさあんたたちの出番だよ。急いでちょうだい」
蘭子がはしゃいで僧達を呼びつける。
「なっ・・・なにをなさるの・・・おはなしなさいっ」
頭を強打され麗香の意識が朦朧としている。それでも懸命に抗議する麗香に構わず若い屈強な男達は彼女をたやすく捕えた。
「せっかくの獲物に逃げられたら困るもの・・・ふふ」

麗香はあっという間に本堂の大きな柱に後ろ手に縛られた。
男達は頑丈に縛り上げた。縄が手首にきつく食い込む。背中にごつごつと固い柱が当たる。長い足は体育座りにして床に肉付きのよい尻が当たっている。
「虫かごがあればよかったわね。きっとお似合いだ」
喘ぎながら、麗香は蘭子に侮蔑の視線をぶつけた。懸命に柱に背を擦りつけ立ちあがる。
「みっ・・・緑川さん、あなた正気なの?」
物凄い形相の麗香を蘭子は一笑する。
「えーえ、大真面目よ。もう今から楽しみでたまらないわ。またとないすばらしい獲物を手に入れた・・・ふふ」
蘭子が両の眼を開き突然大笑いした。
「あははは・・・さしずめアタシはカマキリって役かしら」
「くうううっ!」
麗香が暴れる。体を揺すり足を踏み鳴らす。
しかし体は柱から解放されない。
「ちょっと、いくらボロ寺の床でも踏み破られたらどーするのよ。大人しくさせないとね」
「ボロは余計だ・・・」
よどみのない読経を続ける大吾が口を挟んだ。大吾の言葉をふふんと受け流し、蘭子が僧達に命令した。
「あんたたち、ジャマなズボンを脱がせてやって・・・足首に鉄アレイでもくくりつけてあげて」
麗香は息を飲んだ。蘭子は笑っている。僧達が麗香の周りを取り囲む。
「素敵なおみ足を拝見させていただくわ」
麗香が絶叫する。
「おやめなさいっ!やめて!やめてえええええっ!!」



絶叫と反抗も縛られたままでは無意味だった。暴れる麗香から僧達がトレーニングウェアのズボンを裾から引き抜く。靴下も簡単に剥ぎ取られた。
「あーら、いつ見てもホントにキレイなおみ足だこと」
蘭子が感嘆の声をあげた。僧達は無言で麗香を無理矢理床の上に座らせる。
彼女の白い右足首と鉄アレイを縄で結び付けてしまった。
「ふーん、やっぱりシルクかあ。お嬢さまなのに白じゃないんだ。大人っぽくピンクにレースとは」
蘭子がせせら笑う。
両手を拘束されていては下半身の隠しようがない。
麗香は白い素足を精一杯折り曲げきゅっと唇を噛み締めて仁王立ちの蘭子を睨み付けた。
ゴロゴロと鉄アレイが引きずられる虚しい音が響いた。蘭子が片膝をついて麗香を覗きこんだ。
「スコート姿より素敵よお!あなたムダ毛がないのね・・・すべすべ」
「!うぅあぁっ・・・!」
蘭子の掌が麗香の太股をさすった。麗香の背筋に冷たいものが駆けあがる。
「アタシなんか髪の毛も真っ黒で多いでしょ、子供のときから毛深くて悩んだのよ。背が高かったせいか生理もはやかったし」
「お・・・おやめなさい・・・」
自由のきかなくなってもなお麗香は毅然としていた。そんな彼女をあざ笑うかのように蘭子は手を股間に這わせる。
「あなたも長身だからはやかったんじゃない・・・ええ?」
「つっ・・・」
蘭子が布越しにパンティのクロッチのくぼみを小突いた。
「くうっ・・・」
麗香の小さな悲鳴を聞くと勝ち誇ったように言い放った。
「あのお蝶夫人がおびえているわ・・・ははは!」
「人間は無知には怯えるものだ・・・」
読経を続けてはいるが、空気のような存在の大吾が口を挟む。
「そうね、大吾!でも心配しなくていいの!未通女(おとめ)は竜崎さんひとりじゃなくってよ」
自分の口調を真似た蘭子の言葉に麗香は顔面蒼白になった。
さっきまでいた僧達がこの場にいない!
「なんですって・・・まさか・・・!」

麗香の不安が的中した。障子の向こうが騒がしい。けたたましい足音とひろみの悲鳴が届く。
「いやですっ・・・はなしてくださいっ」
勢いよく障子が開かれた。蘭子が立ち上がる。
「もうひとりの役者の登場だ・・・そこに降ろしてやって」
「ひろみっ・・・」
麗香は息をのんだ。椅子に縛り付けられたままでひろみが僧たちにつれてこられたのだ。
「おっお蝶夫人・・・お弟子さんたちがコーチの命令で筋肉の鍛錬だっていきなり・・・」
泣き出しそうなひろみにかわり蘭子が冷たく言い放つ。
「そうよ。これは特訓なの」
弟子僧の一人が蘭子に汁椀となぜか大きな包丁を差し出した。
蘭子は椅子に縛られたひろみに近寄る。
ひろみは丈の短いホットパンツに上半身はTシャツ姿だ。素足はそれぞれ椅子の前側の両脚に縛られている。
蘭子が屈んで、口元に椀を差し出した。
「岡さん、これをお飲みなさいな」
「・・・いや・・・」
「おやめなさいっ、飲んではいけないわ、ひろみ!」
不安をこらえきれず麗香が暴れてわめいた。
「・・・キャアアアアアーッッッッ」


ひろみの絶叫が本堂に響いた。
蘭子が襟元から包丁を差し込みシャツを切り裂いたのだ。前身頃が縦にぱっくりと開き、下着がのぞく。
「イヤアァァァッ!」
椅子ごとひろみが激しく暴れる。床がきしんで耳障りな音を立てる。
ひろみの両腕は椅子の背にまわされ、両手首を縛られている。
椅子ごと動くだけで蘭子からは逃げられない。
「ひろみ!緑川さんっ、おやめなさいっ!

体の自由を奪われた麗香の制止の叫びは蘭子には何の効果がない。
「服だけじゃなくて今度は肌も切ってあげようか・・・さあ、飲みなさいよ」
すでに目元を潤ませたひろみが椀に口を付けた。
「うっうえっうむむ・・・」
「ようしいい子だ。全部お飲みなさい」
蘭子はひろみののど元に包丁を突きつけて命令する。
口元の両端から液体をだらだらとこぼしながら、のどをそらしていわれたとおりに飲み干した。激しく咳き込む。
「このにおいっ・・・緑川さんっ、ひろみはまだ未成年よっ」
麗香が怒りを爆発させた。蘭子はすこしも動じない
「なにいってるのよ。コーチ特製のいいおクスリなんだから。ふふ・・・」
蘭子が突きつけていた包丁を持ち替え、ひろみの顔の前でちらつかせる。
「さあて、質問に答えてもらいましょうか、西高OGの方々・・・」

蘭子は二人を交互に見やりながらウロウロ歩く。
「ふふ、あたしはわかりきってることは聞かないんだ。どうみてもおふた方とも男は知らないよねえ。処女に違いない・・・あははは」
長身の蘭子が縛られて自由のきかない二人を見下ろす。
鎌首を持ち上げた大蛇が動けない獲物を鋭くにらみつけ、威嚇するようだ。
「あなたがたふたりがどんな男性が好きなのか興味があるんだ・・・ホントどちらにもね」
蘭子がひろみののど元にまた包丁を突きつけた。ひろみが金切り声を上げる。
「・・・ひいいいいッ」
「あーら、動かないでよ。動くと危なくってよ」
「およしなさいっ!」
鋭い一喝の後麗香が静かに切り出した。
「緑川さん・・・こんなことをなさっても誰も喜びはしないわ・・・あなたの大事な宗方コーチだって悲しまれる・・・もうおやめになってッ」
宗方の名前を出せばと麗香は一縷の望みを託した。
それでも蘭子の常軌を逸した行動は止まらない。麗香の声は聞こえていないようだった。
麗香を無視してひとりつぶやく。
「・・・仁に・・・」
苦しそうなつぶやきにひろみも麗香もはっとした。
「あの仁に・・・選手としても・・・女としても愛された岡さんと・・・」
包丁のみねをひろみの頬に滑らせて蘭子がほくそ笑む。
「男性に興味があるのかどうかわからないお蝶夫人と・・・どちらにも興味がそそられる・・・あははは」
「あっ・・・あのぅ」
蘭子の高笑いをおびえたひろみの声が遮った。
「わかります、あたしっあたし・・・緑川さんがお辛いの・・・コッ、コーチがいなくなられて・・・お辛いのはあたしだけじゃないの・・・緑川さんも、おじいさまとおばあさまも、それに桂コーチも・・・みんな」
ひろみの震える声に
蘭子の視線が一瞬和らいだ。その表情を読み取り麗香は期待する。
「・・・岡さん、優しいのね」
だがすぐにその期待はうらぎられた。

「優しいから愛したのね・・・あの女も、仁のお母様も優しかったんでしょうから・・・あたしやあたしの母親とはちがったのよおおおッ!」
蘭子が包丁をひろみのブラジャーの谷間に差し込んだ。
「やめてッ・・・緑川さんッ!」
「イヤアアアアアアーッ」
蘭子、麗香、ひろみのつんざくような絶叫が本堂にこだまする。
切り裂かれるブラジャーの小さな音は簡単にかき消される。
「うふふふ、危ないから動いちゃだめよ、岡さん」
蘭子はあらわになったひろみの胸のふくらみに包丁の刃を這わせる。
麗香が髪を振り乱して地団駄を踏んだ。
「もうやめてッ緑川さんッひろみ・・・ひろみぃ」
「イヤッ、イヤアアァァッ・・・助けて、助けてぇ」
ひろみが泣きじゃくった。
「岡さんあなた胸小さいわね。着やせするわけでなくてそのまんま・・・サイズいくつよ」
意地悪く笑いながら、蘭子が両の先端を包丁のみねでぐりぐりと交互に小突いた。
「ふふっ、でも乳首が小さくて桜色でかわいいわ・・・あらなによこれ。全然立ってこない。テニスのしすぎで不感症じゃないの、あなた・・・」
「くううっ、緑川さんっ、おやめなさいっおやめなさいっ」
柱に縛られたまま、暴れる麗香を無視して蘭子は弟子の一人に声をかけた。
「やっぱり男性に愛撫してもらえないと感じないみたい・・・あんたたち、かわいがってあげて」
うれしそうに僧の一人がひろみの椅子の背後にまわりがばとりつく。
「イヤアッ、イヤアアアッ・・・」
激しく左右にひろみが首を振る。
「ひろみ!
やめてっ・・・ヤメテエエエエッ」
麗香の声がむなしく響いた。
泣き叫ぶひろみに蘭子は冷たく言い放った。
「でもまだペッティングだけよ・・・破瓜の行為は誰の役かわかっているわね」
蘭子が包丁の刃をベロリとなめてみせた。
「さあて、次はあなたよ。お蝶夫人・・・」


蘭子の言葉に麗香は全身の震えが止まらない、悪夢だと信じたいのだがひろみの悲鳴が現実なのだと否応なく認識させる。
作務衣姿の丸坊主の僧は椅子ごとひろみの後ろから抱きついていた。
羽交い締めにされてひろみはただ喘いでいた。
「いやっ、やめてッ・・・痛い痛いッアアアアッ」
僧の両手は両の乳房をがっちりととらえていた。激しく両腕が動いている。
両の乳房をなぶり、その先端を指で挟み、しごき上げ好きに弄んでいる。口元によだれをこぼし、感嘆の声をこぼした。
「うはあっ・・・小ぶりですが、きめが細やかで実にいいっ・・・肌が吸い付きます。ちゃんと乳首もしこってきました。蘭子どの、接吻は構いませんか」
一方のひろみは悲鳴をあげてただ泣き叫んでいた。
「どうぞお好きに。岡さんすこしうるさいわよ。黙らせて」
「いやっ、いやああッコッコーチィ、たすけ・・・ぐむむむっ」
顔を背けるひろみの唇を容赦なく男の唇がとらえた。
しばらくしてひろみの唇の両端から、注がれたのであろう、行き場を失った男の唾液がだらしなく滲んでくる。
「桂さん、桂コーチッお願いです。どうかどうか・・・やめさせて、お願いします・・・」
泣き出しそうな麗香の哀願にも大吾の読経は止まらない。
蘭子がまたせせら笑った。
「男の人はね誰でもみんなそうしたいものなのよ、好きな人なら気持ちいいわけ?それともコーチだった仁ならなにをされても文句いわないのかしらね・・・?」
蘭子が麗香と向かい合わせになった。トレーニングウェアのファスナーに手をかける。
チチ・・・ゆっくりと下へずりおろしてい
く。
「・・・蝶ってなくかしら」

「緑川さん、もうおやめなさい・・・」
声の震えが止まらない。麗香を無視して蘭子はひとりで話す。
「ここにいるお弟子さんたちね、みんな我が加賀高校の卒業生なの」
チチチ、ゆっくりとファスナーが引き下ろされていく。
「あたしの弾丸サーブの特訓相手だったヒトもいるわ。テニスはみんななかなかの腕前よ」
「緑川さんッ」
「悲しいかな我が校はいつも県下の西高にいく手を阻まれてね男女とも・・・うちの後輩の樋口くらいかしら。おたくの英さんに勝ったの」
正直麗香はまったく英に興味はなかった。
他の部員に「お蝶夫人二世」とまで呼ばれる彼女に驚異を感じたことはみじんもなかった。
麗香のライバルは追いかけそして追い越した岡ひろみ。
そして高校時代、個人戦で団体戦で必ず立ちはだかるこの目の前にいる「加賀のお蘭」こと緑川蘭子だった。
「男子も悲惨なものよ。あたしの同級生たちは藤堂、尾崎。そのあとは香月・・・今はかみ、神谷・・・」
自嘲地味に蘭子が静かに笑った。
「神谷・・・あいつは似ていない・・・仁は仁。あたしの兄貴はただひとりよ。死んだ人はかえっちゃこない。ひとりしかいないから人間ひとりひとりかけがえがないの」
麗香がはっとした。蘭子の目元が潤んでいる。
「加賀高テニス部はいつまでたっても万年二位。西高に勝てない」
うつむいていた蘭子が顔を上げた。
「同じテニスの世界に、努力しても頂点にのぼれない、いつもいつも負ける人、勝てない者たちの気持ちなんて、わかりっこないわよね」
ファスナーがすべて引きずり降ろされる。
麗香の裸身を守るいちばん外の砦が陥落した。


蘭子は麗香の身につけたTシャツの裾を掴み下から上へと包丁の刃を走らせた。
「だいたいねぇ蝶が服を着ているなんておかしいわ」
薄い砦は簡単に切り裂かれていく。
(落ち着くのよ・・・なんとしてもひろみを助けなくてはっ、緑川さんは正気じゃない・・・彼女をこれ以上刺激してはいけない)
恐怖に飲み込まれそうになりながらつとめて冷静に麗香は振る舞う。
「そ、そんな誤解なさってるわ。あたくしはもちろん、誰もみ、みんな皆試合に敗れて悔しい思いをしていましてよ。・・・挫折感を味わっていましてよ」
蘭子は上機嫌だ。鼻歌が聞こえた。
「おっ岡さんだって・・・あなたに何度も負けているわ。ね、そうでしょう」
麗香の問いかけを蘭子は無視している。
「あーらブラは白なの。お嬢様なんだから下着の色のコーディネイトくらい考えなさいよぉ」
蘭子は刃の切っ先で切り裂かれたTシャツの見頃を交互にめくりあげた。
麗香の全身をなめあげるようにじろじろと見つめる。
なかば簡単の声を上げうなってみせた。
「うーんでもカップが総レースとは・・・なかなかいやらしいわね。白い肌も乳首も透けて見えるわぁ」
蘭子が麗香から顔を背けた。
「ちょっと誰でもいいわ、岡さんの下着を確認してあげて」
蘭子の口元は冷たい笑いがあふれんばかりだ。
「下の口のご機嫌を伺ってやって・・・」


大吾の後ろでともに読経を唱えていた弟子がひとりいそいそと立ち上がった。
「蘭子どの、その役目ぜひ私に・・・」
「ちゃんと報告して。岡さんがどんなパンティはいているか」
「はいっ、ありがたく・・・」
椅子に縛られ、背後から弄ばれているひろみの前で一礼し、手を合わせた。
「うへへへ・・・」
自由のきかないひろみのホットパンツのボタンをはずし、ジッパーをひきおろす。
「うおうっ、これはピンクです。ピンクに赤い小花模様です。前に赤い蝶結びの飾りがつけられておりますっかわいいですなあ。蘭子どのの趣味とは全く違いますなあ」
下品でうれしそうな声が響いた。
蘭子が苦笑いする。
「・・・ひとこと多いわよ。その飾りはポイントブーケっていうの。ま、男の人には坊主には関係ないか」
「いやいやいやあああッ、助けてッ!
藤堂さんッ」
吸い付かれた唇を懸命に振り払いひろみが泣き叫んだ。
麗香は不思議とひろみに嫉妬は感じたことがなかった。
身近な男性はなぜかひろみに引きつけられていく。
もちろんそうではない男性はいる。
が、麗香の注目した男性はなぜか自分でなくひろみを選ぶ。
(ひろみっどうしたらいいのっこのままではあっ)
このままいけばひろみの体が奪われることが
わかりきっていることだけに麗香はひろみが痛々しかった。
何も出来ない己があまりにも不甲斐なかった。
「藤堂・・・ですって?」
蘭子が即座に反応した。
「どうして・・・仁じゃないのよ、岡さん」
ドスのきいた低い蘭子の言葉に麗香は戦慄した。
「仁はもうこの世の人じゃないからなの・・・仁に愛されたのは・・・岡さん、あなただけなのに」


蘭子が低くつぶやく。
「みじめなものね、妹もそうだけど兄もなんて・・・一生をかけて愛した人に、好きな人になんとも思ってもらえないなんて、くくく・・・あははは、バカよ仁」
急に蘭子が笑い出した。
本堂に狂った甲高い笑い声が響く。
「ふふふ、でも妹はもっと大バカよ・・・」
「緑川さん、落ち着いて、お願いよ・・・」
麗香の懇願に笑いが止んだ。
浴衣が肩からずり落ち胸元がさらにはだける。
「あはあははは・・・バカな妹はねぇ、先に知った肉体の快楽をあなた方に味わって欲しいの。・・・藤堂か。あいつはどーも童貞っぽいわねぇ。大吾はどう思う」
読経を続ける大吾の返事はない。
「大吾は自分のことはもちろん仁のこともいわないけど、そういうことあたしはわかる」
自信たっぷりの蘭子に静かに返事がかえった。
「おまえの目は確かだ・・・」
「はいはぁいありがとう。やる気になったわ。ここは、童貞クンを昇天させる技術をおふたかたに伝授しないとね」
蘭子の目が輝いた。
「セックスって最高よおっ、なにもかも忘れられて気持ちいいの・・・」
「それは違うわ、緑川さんッ」
麗香が毅然として言い放った。
「ごっ、強姦は被害者が申告して成立する犯罪よ。もしものときはあたくしもひろみも黙ってはいなくってよっ・・・」
蘭子が麗香をにらんだ。
「実行犯以外も・・・見張りや手伝った者も共犯者として同等の罪になるわっこんな馬鹿げた真似であなたやここにいる人たちの将来に傷を付けないで・・・」
将来は法曹関係の仕事を目指している才媛の麗香の必死の説得だった。
一瞬桂たちの読経が止んだ。
外の雨音が突然大きくなる。


蘭子が足音を踏みならして麗香に近付いた。
「はん、たいしたもんね。とらわれの蝶が仏門に入っている方々に説教とは」
一瞬の出来事だった。
「・・・それとも、いまのは脅迫かしら」
蘭子は下から上へ、麗香のブラジャーをまっぷたつに切り裂いた。
上半身を守る最後の砦はたやすく陥落した。
「・・・くはあぁっ・・・」
苦悶と羞恥に満ちた麗香の悲鳴が漏れる。
勢いよく豊かな両の乳房がプルリッと揺れて姿を見せる。
唇を真一文字に引き絞りがっくりと麗香が頭を垂れた。
「だめよ、だめ。あなたのおっぱいよぉく見せて」
蘭子が麗香の豪華な髪を引き掴んだ。
無理矢理顔を上げさせる。
「つあっ・・・」
蘭子は何度もはしゃぎながら麗香の乳房に刃をすべらせた。
冷たい刃の感触に全身が総毛立ち、麗香はのけぞる。
「そうよ。そう・・・すっごいわねぇ。ホントに外人みたい。乳首がピンクでつーんと
上を向いてる。いいカタチのおっぱいだわあ。女のあたしでもほれぼれするうっ」
刃のみねで乳首の根元を押しつけられると、あぶくのように鳥肌が立った。
冷たい汗が全身からさらに噴き出した。
「あなたといっしょでツンツンしてるこの乳首、ちょん切ってやろうかしら・・・」
蘭子が舌なめずりをしてみせた。
「アアッ・・おっおちょう・・・ふじ・・・んっ!ううっ」
喘ぎ混じりの小さなひろみの自分を呼ぶ声に麗香ははっとした。
「お願いッ、ひろみは・・・ひろみは、許してあげて・・・」

もともと桂大吾の寺で特訓を受けることを発案したのは麗香だった。
蘭子と桂、そして弟子たちの関係も知らなかった。
自分のコーチのテニスの特訓と聞いて、何も知らずにひろみはここにやってきた。
ひろみを巻き込んでしまったことが麗香には耐えられなかった。
「ねえ緑川さん、お願いよ。あたくしの態度が気にいらないなら、あたくしだけで
よろしいのではなくって・・・」
蘭子がはたと包丁をなぶっていた乳房からはなした。
「・・・すばらしい先輩ね。自分だけを犠牲にすることを申し出るなんて。ホントに岡さんがかわいいのね」
刃のみねを頬に押し当てながら、蘭子が頷いた。
「聡明で法律に詳しい竜崎さんにひとつお伺いしたいのよ・・・」
ギラリと蘭子の瞳が輝いた。
「とーぜん合意の上でのセックスは犯罪として成立しないわよね」
蘭子の質問の意図がわからず麗香は黙っていた。
下手な返事をして蘭子をこれ以上刺激したくなかった。
「快感を感じているのにレイプってのはありえないわよね」
蘭子が口元をゆがませニヤリと笑って見せた。
このうえなく醜悪な顔だと内心麗香は身震いした。
「・・・そろそろかな・・・岡さんの様子はどうかしら」
麗香はひろみを注視した。
背後の僧は両手でひろみの胸をなぶり、ひろみの首筋から肩へと好きに吸い付いている。
前に屈んでいた僧もまた己の唇でひろみの乳房を弄んでいる。
ひろみは泣き叫んで疲れたのかぐったりしている。
しかし口元に浮かんだよだれと、焦点の定まらない瞳に不審を感じた。
「ああん、あんッ・・・ハァハァ、ハァンッ・・・」
今までとは違う甘えた声のひろみに麗香は愕然とする。


麗香はひろみの態度の変化に我が目を疑った。
「ひろみっ、ひろみ・・・どうしたの、しっかりなさい・・・」
おそるおそる発した麗香の声にひろみは答えない。
ただ頬を紅潮させて、なおも喘ぐ。
「はあぁっんっ、うあんあんアアンッ」
自ら体を後ろの僧にもたれ預けていく。
前面に取り付き両の乳房に吸い付く僧からも逃げようとしない。
望んで体を差し出しているふうにしか思えない。
「ハアッハアアア・・・ああんっもっと、もっとぉぉ・・・」
ひろみの信じがたい言葉に麗香の全身が凍り付いた。
「なっ・・・そんな、そんな・・・」
「おクスリだっていったでしょう、ふふふ・・・あはははははは」
蘭子の勝ち誇った笑いがあたりに響き渡る。
「岡さんがさっき飲んだのはただのお酒じゃないのよお。どんどん興奮してくるわ・・・淫乱になっちゃう」
ひろみの乱れた姿を目の当たりにして麗香は言葉を発することが出来ない。
「坊主ってのはねぇ昔はお医者さんだったのよ。大吾は後ろの山に自生する薬草に詳しいの・・・
古今東西、回春剤ってあるのよねえ。もっといいこと教えてあげようか、すました竜崎さん」
「うああっ・・・」
痛みに苦悶の悲鳴が思わずもれる。
麗香の片方の胸のふくらみに包丁の刃を這わせたままで、蘭子がむんずと残された乳房を
わしづかみにした。
蘭子は麗香の乳房に爪が食い込ませる。
「・・・あなたにもそのありがたぁいおクスリ、差し上げるわ」

指をぐりぐりと麗香の胸に潜り込ませながら、蘭子は顔を麗香の頬に寄せた。
「やっ・・・やめてっ、くううっ」
必死で顔をそらせる麗香の首筋に舌の先を這わせる。
蘭子は吹き出た麗香の汗を舐めとっていく。
耳たぶを口に含まれると背筋に冷たいものが駆け上がった。
「・・・くはあっ」
苦悶に満ちた麗香の声に満足して蘭子は顔をはなす。
「うふふ、薬の成分は毛穴から吸収してもらうわよ。最初は冷たいでしょうけどね・・
・ははは。ああ、最後までお経を読んでいた我慢強いあんた」
蘭子に声をかけられ一人の僧が立ち上がった。
「待ってたあんたにその役まかせたわよ。例のヤツふんだんに塗ってやって」
俊敏な動作で僧が近付く。
うやうやしくすり鉢鉢を差し出した。
すりつぶした粥のような物体があふれんばかりに盛られている。
頷いて蘭子は包丁を渡す。
「ヘラのかわりよ、お使いなさい」
「いやです・・・そんなこと許しませんッ」
言葉はまだ丁寧ながら、麗香は取り乱していた。
豪華な金髪の巻き毛を振り乱して激しく首を左右に振る。
「どーんどーんむずがゆくなって熱くなるから。燃えてくるわよ。疼くわよ」
「蘭子どの、下の大事な部分はいかがいたしましょう。塗りつけてもよろしいですか」
蘭子はニヤリと笑った。
「そこはまだだめ。そこにはじゅうぶんに潤っていただいてから、お蝶夫人自らご開帳と
いきたいわ。はははは・・・なんて楽しいんだろう」
あらん限りの力で、後ろで縛られた手首の縄をほどこうと麗香は暴れる。
体を揺する。
「がんばってね、お蝶夫人。あなたも夢の中へどうぞ・・・」

蘭子のいうとおりだった。
痺れるような冷たさだった。不快この上なかった。
泥か海草パックのように怪しげな薬物が麗香の白い体に塗りつけられる。
豊かな乳房と引き締まった腹は覆い隠されてしまう。
包丁をヘラのように使いながら、麗香の体を塗りつける僧の顔はだらしなくゆるんでいた。
それでも麗香は目をそらすことなく若い僧をにらみつけていた。
「ああんッああんあんあん・・・・アッハァァァァン」
ふたりの僧にイタズラをされ乱れていくひろみをすこしでも視界から外していたかった。
泣き叫んでいたひろみの姿はすでにない。
無理に飲まされた催淫剤のせいとはいえ、とても正視できなかった。
「ご苦労。ねえ、誰かあたしの相手もしてちょうだいよ」
蘭子が立ったまま足を大きく開いて挑発する。
浴衣の下になにも身につけていなかった。
鍛え抜かれた長身の蘭子の裸体はしなやかでまさに獣のようだった。
先刻の言葉通り、太股のデルタ部分は黒く深い茂みに覆われていた。
ひろみの後ろに取り付いていた僧が静かにうなずき立ち上がった。
「ああんっあんっ・・・ううんうんっ」
すっかり息の上がったひろみにさらに深く、向かい合わせになった僧がガバと取り付く。
ズルズルッと音を立てて唇を吸い付けあう。
思わず麗香は顔を背けた。
体の前で、包丁をちらつかせて様子をうかがっている僧が怪しく笑った。
近付いた僧を満面の笑みをたたえた蘭子が迎える。
立ったままもつれるように腕を絡ませふたりは、深く深く抱き合った。
僧の片腕が蘭子の胸を引き掴みすぐに下へ降りていく。
蘭子が女豹のようにしなやかな体を反らせ、長い片足を上げる。
僧の体側に足を絡ませ腰を振る。
麗香が目を閉じ低くつぶやいた。
「ああ、なんていうこと・・・あぁ」
肉欲だけをぶつけ合う獣どうしの交歓にしか、麗香の目には映らなかった。
「・・・ハアンッハァ、うおおおおっうおっ・・・」
蘭子が吠えてみせた。激しく喘ぎながらうめく。
「うおっ、大吾・・・さあ・・・出番よ・・・そこのあんた、岡さん・・・のなわ、ほどいて」


椅子に縛られて腰掛けているひろみに向かい合わせになった僧がのしかかる。
僧の腰が自然と前後にあやしく揺れる。体を揺らせて、ひろみの体に愛撫を加えていく。
「きゃあああんっ、あはんっ・・・いい・・・いいーッ」
ひろみが吠えた。蘭子にも負けぬほどのみだらな響き。
男に媚びているとしか思えない甘えたうなり声に麗香は絶望する。
僧はひろみの上に乗りかかり、乳首に吸い付く。
肩口に首筋にと好きにどこでもしゃぶりつき口での愛撫を止めない。
ひろみの両足首はそれぞれ椅子の脚に縛られている。
足首を縛られたままで股間を左右にばっくりとだらしなく開いたひろみの様に、
麗香は嫌悪感から吐き気まで催していた。
僧は椅子の背に両手を回し後ろ手に縛られたひろみの両手首を器用にほどいていく。
「まだか、はやくせんか・・・」
読経を止めて大吾が催促した。
「はっはい・・・ただいま。いまから足の縄をほどきます」
僧がひろみから飛び退き、床に跪く。
慌ててひろみの足の縄を順にほどいていく。
「はっはっは・・・弟子はツライわねェッ、仕方ないわ。仁の親友以外に誰が岡さんを女に出来るものですか!あははは、ウウンッ・・・」
蘭子が高笑いした。
蘭子の片手は抱き合っている僧の股間を撫でさすっていた。
すでにそそりたった僧の分身の頭と棹が麗香からも見えていた。
蘭子はつま先立ちになる。それにこたえて僧も腰を落として身構える。
「弾丸サーブのレシーブの準備はいいかしら。ちゃんとうけてちょうだい」
蘭子が勢いよく自らの腰を振り下ろす。
「うおおおおっ・・・おおおおお!」
すさまじい咆吼とともに蘭子と僧がつながった。重なり合ったふたりが上下に激しく動く。
「おっ、お待たせしました・・・住職・・・」
泣きそうにおびえた声を出してひろみのそばから僧がはなれる。
「ひろみっ、お逃げなさいっ!ひろみ・・・」
麗香の叫びにひろみは反応しない。
ようやく解放されたひろみは、椅子にもたれ足を開きぜえぜえと息をして喘いでいる。
「・・・よしっ、来い!岡!」
大きな声をあげ大吾が袈裟を脱ぎ捨てて立ち上がった。

桂大吾が瞬く間に白い着物を脱ぎ褌(ふんどし)一丁の姿になる。
がっしりとした筋骨隆々の男の裸体に、麗香は不覚にも目を奪われた。
「ふううんっ!はあああッ!」
なぜここまで気合いを入れるのかというくらい大きな声を出し大吾が褌を外す。
「あああ・・・」
驚くほど大きな声が麗香から漏れた。まるで卒塔婆のように太い肉の棍棒が大吾の股間に
そそり立っている。
(昨夜見たものよりも・・・今緑川さんの相手の方より大きい・・・これが男性・・・)
麗香にとってはこの世の中で一番素晴らしいの男性はテニスを教えてくれた父だった。
幼い頃の記憶だけとなって久しいが父は颯爽としていて白いテニスウェアがコートに映えた。
(あ、あたくしは・・・いままで男性の裸などまともに見たことがなかった・・・)
「うおッうあうおぉ・・・うふふ、どうしたのよりゅ竜崎さん、大吾にみとれて・・・オオッ」
そんな麗香の心を見透かしたかのように蘭子がうなりながら話しかける。
「オオッスッゴイでしょうおっ!わっ若くってえっ、たくましくってえぇ、さっさんじゅう手前の
オトコってぇっ・・・くあああっ、なっなのにぃなのにぃ!じ・・・んは・・・だい、ごとおない
年の仁があああっ!」
下から突き上げられる衝撃に耐えられないのか蘭子が涙声で叫ぶ。
「くううあああッ、仁の代わりにいっ、オンナにしてやってえ、大吾ォォォォッ」
僧とつながり腰を揺らしながら蘭子が泣き叫ぶ。
「じっ、仁のかわりにぃっ思いを遂げてぇぇぇ・・じぃぃぃぃんっ!うああッ」
麗香には蘭子が狂っているとしか思えなかった。
道ならぬ恋に苦しんだ挙げ句、その相手を永遠に失ったために蘭子は鬼女になってしまったのか?
「やめてくださいッ!桂さんッ!」
必死に麗香が叫ぶ。
(あなたしか、この地獄から皆を救えない・・・)
麗香を無視して、この地獄の中で静かに口を閉ざした大吾が一喝の声をあげる。
ひろみへの催促だった。そのひろみはまだ所在なく股を開いて椅子にもたれている。
「どうしたッ!?岡!お前なら踏み出せるはずだ!宗方とともに歩むはずだった世界へ!」
宗方の名にひろみの肩がビクンと反応した。


ひろみの両の眼からみるみるうちに涙があふれこぼれ落ちる。
「・・・コッ、コーチ・・・」
「そうだ!岡ッ!お前なら踏み出せる!宗方がこの世にいなくともかわりにこの俺がいるうッ!」
精悍な裸の大吾がどっかとあぐらに座った。
「ここに来いッ!俺に跨れ!宗方はここにいるのだ!」
「むっ、無茶苦茶ですわっ・・・いうことをきいてはなりません!ひろみ!」
なかば半狂乱になって麗香はわめき散らした。
必死になってひろみを制する。
当のひろみは体をがくがくと震わせながら椅子にもたれて泣いている。
股間に大きな分身をそそり立たせてさらに一喝する。
「ここに来いッ!宗方を体に含んでみせろぉぉぉぉぉっ!」
「はいっ・・・コーチ、コォチィィィーッ!」
突然ひろみが叫んでユラリっと立ち上がった。
「ひろみっ・・・おやめなさいっ!ひろみ!」
麗香はひろみの名前を何度叫んだか自分でもわからない。
縛られた手首に縄が食い込む。
鉄アレイのくくりつけられた足が痛む。
そして・・・怪しげな塗り薬の触れた肌は蘭子のいうとおり、さらに熱を帯びむずがゆくなっていた。
自らの体温で暖まってしまった薬のねっとりとしたなま温かい感触に吐き気すら感じていた。
それでもひろみを呼び続ける。
「いけないわっ!ひろみ・・・ひろみっ!」
だが、蘭子の言う催淫効果のある薬草入りの酒によってひろみはすでに麗香とはかけ離れた世界に足を踏み込ませていた。
まさに煩悩に酔いしれ、肉欲のみにとらわれた世界へ!
ひろみの行動に、大吾は満足しにやりと笑いをたたえた。
「ようしっ・・・岡!全部脱げ!全身でぶつかってこいッ!」
ひろみは頷き、切り裂かれたシャツとブラジャーを脱ぎ捨てる。
上半身裸になると胸を隠すこともなくぼんやりとその場に立っている。
「全部脱げといったはずだ!生まれたままの姿になれ!」
大吾の執拗な催促にひろみはまた頷いてみせる。


ひろみがゆっくりと身につけていたホットパンツに両手をかける。
すでにジッパーを引き下ろされていたそれは造作もなく下へずり落ちる。
「んんっ・・・うあっ・・・」
熱に浮かされたような悩ましい声を上げてひろみは、その場で足踏みしてみせた。
床にホットパンツが脱ぎ捨てられる。
「そうだ・・・そうだ。全部脱げ」
満足げな大吾の返事に促されたひろみはすぐに両手をかける。
前屈みになって片足ずつショーツを引き抜いた。
弟子の坊主が喜んだ少女趣味の障害物を自ら豪快に脱いでしまった。
麗香が風呂で見たひろみの裸が本堂であらわになる。
「・・・ぎゃーてーぎゃーてー」
大吾が経を唱え始めた。
「はらぎゃあぁぁてぇぇぇ」
椅子のそばにいた僧と麗香に薬を塗りつけた僧、この手の空いたふたりの僧はその場に正座し唱和する。
蘭子とつながっている僧も立ったままで唱和する。
「おおっ!うおおおっうああ、うあっ・・・」
蘭子の喘ぎもまたともに唱えているようだった。
(どうしたというの・・・なぜか・・・ほっとする)
麗香のそばに座った僧の声がなぜかひどく心地よかった。
(地獄の暗闇を照らす業火は明るい?・・・どんなに熱くとも地獄では・・・ありがたいものなのかしら・・・)
薬草でついに麗香もおかしくなりつつあった。
男女の交わりを惜しげもなく晒す蘭子の、大吾の興奮した男性、そして自分より先に少女から女になろうとしているひろみがいる。
みだらな感情に火がついて体の奥でめらめらと燃えはじめていた。
「来いっ・・・岡っ!おかあああああああッ!」
ひろみが歩を進めていく。
大吾に歩み寄る。


大吾がたくましい両腕を伸ばしてひろみの両腕をとる。
ひろみを無言で促し、がっしりとした両の太股の上にひろみを乗せてしまった。
(・・・たくましい・・・)
麗香はいつしか熱い視線を大吾に投げかけていた。
宗方仁とともにテニスで将来を嘱望されていた桂大吾。
宗方仁と対等に渡り合えることができた唯一のライバル、桂大吾。
「うあっうおお、うあ・・・じ・・んよ、仁なのよ。仁がいるの、岡さん・・・」
すすり泣きく蘭子の呼びかけが麗香の心に突き刺さった。
(親友の思いを遂げるとおっしゃるのですね・・・)
「ようし、よし・・・おそれるな、思い切って来い!」
大吾が両の手のひらにひろみの尻をおさめて、ひろみの体の位置を誘導する。
ひろみの体の中心と己の股間の中心を重ね、照準をあわせていく。
「膝を曲げて・・・腰を落とせ。そうだ、そう」
麗香は大吾とひろみが重なるさまを横から見る位置にいる。
柱に縛られた麗香からも足を左右に開いているひろみの姿がよく見えた。
ひろみの内股に滲み出た透明な液体にも気付き、ふいに全身が震える。
(肉の色って・・・あんなに鮮やかなのかしら・・・このあたくしも?)
ひろみの桜色の花弁が大吾の分身の頭で無理に押し広げられた。

一瞬の沈黙。
雨音と蘭子の喘ぎがひときわ大きく麗香の耳に聞こえてくる。
「くわぁぁぁぁぁぁぁぁああああっつ!」
気合いをみなぎらせた大吾の喝が響き渡る。
ひろみの腰を引き掴むと、ぐいと一気に自分の体に引き寄せた。
赤黒い大吾の卒塔婆が、麗香が卒塔婆にしかたとえるしかなかった大きなそれが勢いよくひろみの体に突き刺さる。
ずぶずぶと音をたて、そのままひろみの体の中にめり込んでいった。
「・・・!ああああああああああっ!」
すさまじい悲鳴とともにひろみがのけぞった。

屈強な大吾という椅子に、ひろみが向かい合わせにまたがって座る。
座の部分の真ん中に堂々と赤黒い卒塔婆がそびえるように立っていた。
その卒塔婆がひろみの体の中に立て掛けられた。
すでに大吾の卒塔婆は、ひろみの中だ。
「くあああああっ・・・ああんっ!はあああああんっ!」
すぐにひろみの絶叫がおさまった。
ふたりの体の一点が完全に重なっている。
大吾に貫かれた体が静かに止まる。
ひろみの腰を引き掴んだままの大吾の口元が緩んだ。
「・・・くふうっ、きつい・・・な」
今までこらえていた快感の笑いが浮かんでいる。
「ようし岡!さすがだ。よくしまっている・・・よし、これから動くぞ!耐えろ!もっと食い締めろ!」
間髪入れずに大吾が腰を上へと突き上げ激しく動く。
「ふんっ!ふんっ・・・うおおっ!喝!」
気合いの入った大吾の叫び。
「アアッ、ヤッ・・・ハアッ!アアアッ!」
ひろみが額に滲んだ汗を飛び散らせるように顔を振る。
前後に激しく体を揺らせて悲鳴を上げる。
(メトロノームの・・・針のようだわ・・・)
テニスとともに麗香が幼い頃から慣れ親しんだピアノ。
ピアノの練習に使っていた、拍子を合わせるためのメトロノーム。
規則正しいリズミカルな大吾の突き上げに、ひろみが声を同調させて喘ぐ。
師弟が声を同調させてお互いの体を交わらせている。
ひろみのその悲鳴は苦痛とも興奮した歓喜からくるものなのか麗香には判断しかねた。
行き場を失い、中空でばたばたと動かしていた両手は、大胡の肩を見つけ、しっかりと巻き付かせた。
凹凸をはめ込むようにぴったりと合わさり、つながったまま動いてはまたすこし離れ・・・肉の卒塔婆は見え隠れする。
「・・・宗方だ。いま・・・宗方の位牌がお前の中にいるうううっ!」
「ハアアアッ、はっはいっコォチィィ・・・アアッ!」
ひろみは桂ではなく宗方を呼んでいるのだ。
(位牌・・・位牌か・・・でもあたくしにはあまりにも大きすぎて卒塔婆にしか思えない・・・)
麗香は頬を紅潮させていた。


「くわんじぃざぁいぼおさあつぅ、うおっ」
ひろみを貫いたまま再び大吾が高らかに経を唱え始めた。
「ああッ、ああんッ!ふあっうああッ!」
大吾の腰が上下に大きく揺れ動く度にひろみが叫ぶ。
せわしく息を弾ませ、両腕を絡ませて大吾とともに同調して動く。
「ああんっあんっ!すっ・・・すごいっ!ハアンッ!」
ひろみは大吾の声を遮らんとばかりに自ら大吾の顔面に体を覆い被せた。
すかさず大吾が若いひろみの胸の谷間に顔を埋める。
チュパッ、ズチュウッ・・・読経の代わりに淫らな音がこぼれる。
すでに突き出していたひろみの乳首が大吾の唾にまみれていく。
吸い付かれた白い肌のあちこちが赤くなる。
「うあッ・・・ひいいいツッ」
のけぞってみせるひろみに構わず、そのままむしゃぶり続ける。
口のふさがってしまった師にかわって弟子の僧たちが読経を続けていた。
(頭が・・・重い・・・)
ついに薬効が達したのか麗香の頭がじんと痺れていた。
(この姿は・・・歓喜天・・・そう歓喜天だわ)
古代インドから伝わる仏法の神のひとり、歓喜天が博識な麗香の頭に浮かんだ。
(いつも向かい合わせで・・・女神を抱きかかえている歓喜天・・・)
夫婦和合の神、男女の交わるその姿から秘法とされ仏像も人目にさらされることがないという。
(・・・煩悩も人の肉欲も否定しないのですね。桂コーチ・・・)
麗香の心が不思議なほど軽くなった。
「うああああああああああっ!」
突然蘭子が中空に向かって叫び声を上げた。
がっくりと頭を垂れ僧にだらりと体をあずける。
「・・・ぼぉじぃそわかぁ」
つながっていた僧が立ったまま静かにつぶやく。
つんとした異臭が麗香の鼻をついた。



「くはあっ・・・なかなかによかったわよ・・・ありがとう」
交わっていた僧と変わらぬほどの大柄な蘭子がけだるげにその身を引きはがす。
惜しげもなく晒した白い太股の内側に白濁した粘液がてらてらと伝い下りていた。
「心配しないで・・・あたしはピル飲んでるから」
額の汗を手でぬぐいながら、麗香に笑いかけた。
「竜崎さん、あなたも岡さんも心配しなくていいのよ。選手生命の危機になるようなマネ、立派な桂コーチがするわけないわ・・・」
蘭子の言葉に麗香の最大の懸念が消し飛ばされた。
(どんなに乱れても・・・テニスが大事なのね・・・)
麗香はほおとひとつ大きく息を漏らした。
「うおう・・・うおおおおおおおおおおおおおおっ!とおりゃああああああ!」
大吾が咆吼した。なんと大吾はひろみを貫いたままで仁王立ちに立ち上がる。
「きゃああああッ!・・・ああんっあっああああーッ!」
つながったままでひろみが逆さにぶらさがる。麗香の眼前でふたりの結合部分があらわにされた。
それはびちゃびちゃと音を立てて、動いている。
赤黒い肉の棍棒がピストンのように動き、そのまわりを薄紅色の花弁がぴったりとまとわりついていた。
ぶ厚い肉のひだは赤い牡丹を思わせた。
(かわいいだけかと思っていたらあなた自身は豪華なことね、ひろみっ・・・)
薄紅色の花弁にひろみの体液が露のように絡みついている。
(・・・なんていやらしい・・・でも・・・美しい・・・)
「岡!腹筋と背筋をつかえっ!」
「ああっあああ・・・はっはいっ!たああ!」
どこに体力が残されているのか、ひろみはすぐに起きあがる。大吾の首っ玉にかじりつく。
「よしっ!よおおおしっ!いいぞ岡!」
まるで子供をあやすように大吾がひろみをしっかりと抱きかかえる。
(鍛え上げられた身体の交わりは・・・美しい・・・美しいものですのねっ!)
「・・・あああっ・・・」
麗香が苦しそうに、なにかをねだるようにうめいてみせた。
普段ならば決して姿をあらわすはずのないよだれを上品な口元に浮かべている。
蘭子は麗香の乱れ始めた様子を見逃さなかった。にやりと笑う。一番そばで読経している僧に声をかける。
「あんた、口でお蝶夫人の薬草をなめとってさしあげなさいよ。・・・あたしも手伝ってあげる・・・」


「・・・ふあっ、つううう・・・あっああっあああ・・・」
柔らかく生暖かい舌が麗香の肌に触れる。
「あはははは・・・あなたの人肌で温くくなってるわね、これ・・・うふふ」
蘭子がビチョッ、ズズズと派手にすする音を立てる。
「あはあっ、あああ・・・ひいッ、うっ・・・くっ」
舌が触れるとたまらなくなり思わず声が漏れてしまう。
「これをね、このクスリを吸収すれば、あんたたちも絶倫よ。いくらでもできるわ。ヤリたい放題よ。がんばって舐めなさい」
僧たちは誰も返事をしない。膝を立てあちこちから柱に縛られたままの麗香に懸命にとりすがり、腰をくねらせている。
「ウフフフ、なかなか感じていらっしゃる様子よ、竜崎さんは」
蘭子と弟子の僧たちは総がかりで、麗香の肌に塗りたくられていたこう薬を舌で掬い取っていた。
麗香のしなやかで細くそれでいて肉付きが良い体の前面の至る所に人間がとりついている。
着衣は乱れに乱れほとんど裸だ。
母犬に子犬がじゃれついて取り付き、乳房に貪りついているようだった。
麗香のまたたくまに白い素肌があちこちから顔を出してくる。
一方の大吾はひろみを貫いたまま仁王立ちになっていた。
いくらでも歩けそうなほどの勢いでひろみを抱きかかえ何度も突き上げている。
「アッ・・・アアアッ!コッ、コーチィッ!オオオンッ」
すすり泣くようなひろみの喘ぎが麗香の耳にも届く。
すでに嫌悪感はなかった。
(ああ・・・うらやましい、ひろみ・・・あたくしもはやく・・・)
「あああッ!もうっもうこらえきれない・・・ツアッ」
麗香はもう声を落とすことすらできなくなっていた。
その悶える懇願の声を麗香の腹に舌を這わせている蘭子が聞き逃すことはなかった。
「・・・やっとあなたも正直になったわね、あは、あははは」
蘭子の勝ち誇った笑いが、麗香には妙に心地よかった。
「さあ、きれい、きれいになったわね。お蝶夫人」
にんまりと蘭子が笑ってみせた。取り付いていた僧たちも皆はなれる。
「うあっ・・・はあはあはあ・・・」
額に汗を滲ませ麗香は頭を垂れる。乱れた金髪がばさりとうつむいた顔を覆った。
「自由にしてさしあげるわよ。お飛びなさいな・・・縄ほどいて」


縄をほどかれた麗香はゆっくりとその場から立ち上がろうとする。
彼女の白い裸身が小刻みに震えていた。
末端に鉄アレイがくくりつけられた足首の縄にしなやかな指をかけほどこうとする。
「ああ、そんなことでお蝶夫人をわずらわせないで。はやく誰かやってあげなさいよ」
蘭子が声を上げた。
「んっ、はあああ・・・」
久しぶりに自由になってうめきながら、麗香は背筋を伸ばす。
鉄アレイがゴロリと重たい音を立てて床にころがった。
ブラジャーと色をそろえていないと蘭子に指摘されたショーツは、こう薬の色で染まっていた。
ショーツの前面の優雅なレースがドス黒く変色した緑色に染まっている。
すでに舐めとられているにも関わらず、こう薬を塗られていた肌は痺れむずかゆかった。
熱を持っていた。うっすらと桜色に染まっている。
それでも麗香の肌は白さを残している。
蘭子が感嘆の声を漏らした。
「・・・ほんとうに白いわね。それでいて乳首だけピンク色でつんとして。人形ではないわ。
・・・まさに生きている人間の美しさだわ。隠してるのがもったいない・・・
ねえ、はやくお脱ぎなさいよ」
麗香はぼんやりとしていた。まるで熱に浮かされているようだった。
「もう・・・ラクになりなさいよ、お蝶夫人・・・」
蘭子の静かな促しの言葉に、麗香は軽く目を閉じ軽く顔を伏せる。
優雅な両手の先が、腰にたどりついた。
それぞれ両脇にかけられる。
白い下半身を守る最後の小さな砦が、麗香自身によって取り去られる。


ついに麗香自身によって裸体が惜しみもなく晒された。
情交を続けているままの桂とひろみすら一瞬息を飲んだ。
麗香の晒された肢体に淫らでどん欲な視線があちこちから絡みつく。
ところが麗香にとってはたまらなく快感であった。
(皆がこのあたくしに注目している・・・なんにも変わらなくてよ!テニスコートにいるあたくしを見つめるのと!)
誰もかなわなかった、ライバルも不在だった、無敵のお蝶夫人が今もいる。
優雅なテニスを披露し、コートを舞っていたあの頃の視線を思い出していた。
「白いわねえ、ホント。細いだけかと思ったら出るとこは出て。いいわねえ、アソコの毛が薄くって。
金髪で全然目立たない」
蘭子がうなっている。
「美しい・・・素晴らしいわ!悔しいけどこんなにいやらしいカラダはそうないわね!」
蘭子の賛美の言葉は続く。
「誰か蝶の種類に詳しい人いない?アゲハチョウにしては真っ白すぎるわよ」
「・・・シロベニチョウがふさわしいと思います。シロチョウ科のなかでも白い羽根が大きくて、
鮮やかな赤い紋様があって」
「あらそう。さすがは加賀校出身者だ。生臭小坊主でもと体育会系でも蝶に詳しい人もいるんだ。
博識ありがとう、ためになる」
弟子僧の即座の返答に蘭子は上機嫌だ。
麗香はじんと痺れた頭が心地よいほど軽くなる。
(見られるだけではなく・・・もう!もうっ・・・)
「あああッ!」
顔を振り、白い喉を天にそらす。本堂の高い天井が見えた。真っ暗で何も見えなかった。
雨音がまだ激しく屋根にうちつけている。
(まるでいまのあたくしのよう・・・暗闇をひとりでさまよっているだけで・・・ひとりでは心細くてたまらなくて)
熱い視線を感じ、恥ずかしさとともに乳首の先が熱くなった。
未体験のその行為を妄想し、一刻も早く満たされたくて体の奥が痺れた。
「すでに見かけは立派できれいな成虫の蝶だけど・・・アソコはかわいそうにねえ、まだネンネなのよ。さなぎなの」
蘭子がからからと笑い声を立てた。
「オンナにしてれるのはあんたしかいない。はやくやってよ、ねえ大吾ぉ、あんたならお蝶夫人も本望だわ」

「くわああああああああつ!うりゃああああ!」
雷の轟音のように大吾の声が轟く。
勢いよくひろみを己から引き抜くと両肩を掴んでぶら下げた。
ひろみを刺し貫いていた分身が、ひろみが分泌させた体液にまみれて姿を見せる。
「・・・はああああっ・・・」
宙ぶらりんのひろみが大きく息をし、がっくりとうなだれる。
純潔を師に捧げた証の血が内股を伝い落ちていた。
・・・まだ大吾は達していなかった。
赤黒くそして天井に向かって高く、肉の卒塔婆がそびえている。
(あたくしのために・・・あたくしのためになのですね!)
麗香の瞳が怪しく輝く。
「・・・コッコーチ!そんなっ!あたしはあたしはまだアッ・・・」
ひろみが顔を真っ赤にして首を振った。膝をこすりあわせ、足を上下にバタバタさせる。
大吾が笑った。
「これはテニスプレイヤー岡ひろみを生んだ母、お前を生んだ母に対しての礼儀だ。こらえろ!」
(それはあたくしのことですのねッ!)
麗香の体の奥がじんじんと疼く。
「おい、あとはお前が相手をしてやれ」
大吾がひろみを背後からイタズラしていた僧に声をかける。
「岡はなにも用意していない。避妊具をつかえよ」
勢いの良い返事を聞き遂げると、大吾はひろみの肩を解放した。
たくましい両腕をはなすとらひろみがすとんとを滑り落ちた。
「きゃあ」
ひろみが悲鳴を上げて床に崩れ落ち、その場にうずくまる。
全裸の姿をさらしてわめきちらしている。
(もっと感じたいのね、ひろみ!)
「あああ・・・もっと、もっとぉぉぉ!」
いまのひろみは、さかりのついた雌猫が足を踏みならしてうなり声を上げて雄を呼ぶのと同じだった。
(あたくしも・・・あたくしも・・・アア、はやくなさって・・・はやく!)
麗香もまた肉欲にとらわれ、畜生に成り下がっていた。

よつんばいなってわめきちらすひろみに僧が近付く。
「ああんっ、はああ・・・お願い、お願いします・・・はやくぅ」
背後から抱きかかえられたひろみはすぐに気づき腰を振った。
僧はひろみの腰に手を回し己の側に引き寄せる。
彼の膨らみ硬直した分身は、師匠の言いつけ通り、スキンがかぶせられていた。
肉とは違う異質の透明な素材に覆われているが麗香にも見て取れる。
ひろみは、僧に促されるまま体制を整えて、いまかいまかとその時を待っている。
「はあああ、あああ・・・んんっ!ううううーっ!」
分身の先端は、ひろみの裂け目に押し当てられたかと思うと呑み込まれていく。
「あああああ!ああッ!あああ!」
ひろみが狂ったように尖った調子の声を立てる。
僧の分身は、あっという間に総てひろみの体の中に含まれていった。
「・・・くはあっ、これは素晴らしいですね。窮屈でたまりませんよ・・・」
ひろみと完全につながり、ひろみの尻に腹を寄せて僧片が丁寧な言葉遣いで囁いた。
片手がひろみの乳房にのばすと引き掴み、同意を求めるように揉んだ。
「アアッ!ああンぁ・・・」
「それでは運動させていただきます」
「どっどうぞ・・・アアアッ!」
僧が前後に腰を揺らした。ひろみも同調して動く。甘えた悲鳴を上げる。
「アンッ!アン、アッ!アアアッ!アアッ・・・・」
ベチ、ベチ・・・僧が自分の腹をひろみの尻に打ち付ける音が響き渡る。
ヌッチャ、ヌチャ・・・僧の分身がひろみの体で出し入れされるたびに、ぬかるんだ地べたに足を踏み入れるような
音が響く。麗香の痴情を煽る淫らな音だった。
(ひろみが喜んでいる・・・)
麗香は羨望の眼差しを、皆の前で痴態を晒すひろみに向けた。
(さっきまであんなにいやがっていたのに、ああ!なんて素晴らしいッ!)
ひろみのフアイトあふれる試合への賛辞と同じだ。
ひろみはいつも精一杯生きているのだ。
(あたくしも負けてはいられない!)
麗香はますます欲情してくる。
「桂さんっ・・・!」
上品な唇から、切なげな声が漏れた。

弟子『たち』の繰り広げる痴態を無言で見下ろしていた大吾が麗香の声に気づいた。
麗香を見つめ、静かに切り出す。
「どうした、お蝶・・・」
鋭い視線に麗香は一瞬ぎくりとした。
(あたくしにはわかる!あなたもあたくしを必要としていらっしゃいますわね・・・)
「どうした・・・」
麗香は震えるだけで言葉が出せない。
裸の男と女が立ったまま向き合い見つめ合う。
鍛え抜かれた体の持ち主ばかりの集まりの中でも、ふたりの体はひときわ輝いていた。
均整のとれた美しい肢体。一糸まとわぬ成熟した身体。
「・・・ハァ、なんだかんだいってふたりだけの世界をつくつちゃったわね、はぁぁんっ・・・」
蘭子が黙ったままのふたりをからかった。
蘭子は達したばかりの僧にもたれて胸をまさぐらせている。
怪しげなクスリの効果でそのシンボルは健在だった。
蘭子は両脚をMの字にに開き、僧の陰茎を体に含んで座っていた。
ぶ厚い肉の花びらがめくりあがって、赤黒い肉の陰茎にまとわりついていた。
鮮やかな赤い花が蘭子の股間に咲いている。蘭子の名前の通り、隠微な赤い蘭の花だった。
「うおっ・・・あんたは我慢強いのね。師匠のおこぼれをねらってんの、あんた・・・」
蘭子はまだこの饗宴に参加せずただひとり読経を続けている僧もからかった。
「・・・蝶の運ぶ蜜の味を楽しみにしてなさい・・・ううっうおう」
蘭子も自ら腰をくねらせて突かれるペースの変化を自在に楽しんでいた。
ひろみもまた僧と身体を重ねて激しく揺れている。
「ああーんっああんっあっあっああああーんっ、もっとぉもっとおおおおっ!ウウウンッ」
「こっこれはっ!かわいらしい顔をして相当のスキモノですね、岡さんは!」
「ウウンッ・・・なにいってるの、仁が原石で見つけた名選手よ。ウアッ・・・名器にきまってる。磨けばあんたの腰なんてぇっ!くだけちゃうよおっ」
蘭子の毒舌はさらに磨きがかかっている。
「くはあっ、いきますよおっ、岡さん!覚悟してください」
僧が速度を上げ激しくひろみに腰を打ち付ける。
何度もひろみを突き続ける。
「アッアッアッアッアッ・・・ハアァァァンッ、アアアアアアアアアッ!」
麗香の耳には何も聞こえない。目の前の大吾「自身」に意識が集中している。



麗香が両手を大きく開いた。
白くて鐘のように形よく膨らんだふたつの乳房。
それぞれの先端には、つんと天を向いたピンクの乳首。
乳首は固く尖り、痺れて疼く。
股間の金髪のうすい被毛を包み隠さずさらし、大吾の名前を呼ぶ。
「・・・桂さんっ・・・」
大吾が微笑んだ。
「なにを恥ずかしがることがある・・・本能のままに突き進めっ!お蝶っ!」
大吾のひとことが麗香を突き動かした。
「・・・うわあああああああっ!」
華麗な蝶が舞う。大吾に飛びかかるように抱きつく。
「んんっ!うおうっ・・・ううんッ!ふふーっ」
しっかりと抱き止めてくれた大吾に身を乗り出して背伸びをしてその唇を求めた。
大吾の唇はぬくもりがあった。
初めて触れた異性の唇は、麗香が生きていることを実感させる!
「ううんっ!うおうっ、アアアッ!」
麗香は獣のようにうなりながら唇を重ね吸い付く。
大吾の舌が麗香の中にはいってきた。
ひるむことなく麗香も舌を突き出す。
赤いふたつの幼虫が、大胆に口の外でも絡み合う。
混じり合ったふたりの唾液が本堂の床に滴り落ちる。
両腕はお互いの背中に回され、激しく抱き締め合う。
麗香の柔らかい乳房が、大吾の胸板に押しつぶされる。ふたりを遮るものはなにもない。
肌と肌がぴつたりと合わさる。麗香は締まった長い両脚をこすりつけ、大吾の全身にその身を絡ませる。
ふたりはしばらく立ったままで絡み合っていた。
「んんんっ!うあああっ!かっ・・・歓喜天ですわあっ!」
麗香が大声をあげた。

「ふっ・・・歓喜天か。よく勉強しているなお蝶!」
「ああっ・・・んんんっ」
言葉が途切れるときはお互いの唇が相手のどこかをふさいでいるときだ。
ずちゅちゅっ・・・息をするのも惜しむほど吸い付きあう。
呑み込みきれなかったズルズルと唾液が唇からあふれて伝い落ちる。
「んんっ・・・うああっ!」
豪華な金髪を振り乱して麗香が勢いよく喘ぐ。
「歓喜天は生半可な気持ちで信仰してはならない・・・極めろ!乱れろ、お蝶!」
大吾は麗香をそのたくましい両腕でかばいながら床に突き倒した。
麗香の背中に固い床が当たる。長いその髪が床にばら撒かれる。
「あああっ・・・はあああんっ!」
麗香は喘ぎながらなおも唇を求めて、喉をそらし唇を突き出す。
力の限り、大吾の体に白い腕を絡ませる。
テニスラケットとピアノの鍵盤と・・・今まで触れてきたものとは違うもの、男性の肉体を抱き締める。
大吾もそれにこたえ、耳たぶ、喉、鎖骨のくぼみと至る所に唇を這わせる。
「・・・アアアッ!アッアッ・・・」
面白いように麗香がさえずる。
蝶ではなく、秋の夜長に響く鈴虫の音のように。高く涼やかに、そしてなまめかしく。
麗香は乱れに乱れて、大吾の体の下で淫らに舞った。
屈強な男のという肉体の虫かごの中で白い体をバタバタと動かしていた。
「は・・・なんだかんだいって・・・お上品な方と徳を修めた坊主のやりとりにしてはぁっ・・・はげしいわねえっ、ふうぅんっ」
蘭子がなかば呆れてふたりを茶化した。


大吾の両手が麗香の胸のふくらみを鷲掴みにした。無茶苦茶に揉みしだく。
形の良いふくらみは、大吾の手のひらをのせられぐにゃぐにゃと変形した。
「くはあぁぁぁっ・・・あああんっ!」
こらえきれないとばかりに麗香が悶える。
刺激がすべて体の奥へじんじんと響いてくる。
「・・・なかなかいい。感度は抜群だな、お蝶!」
すでに固く尖っていた乳首は天に向かってそびえている。
その乳首を指ではさまれる。
引っ張り上げられたかと思うと逆に柔らかい隆起の中へと押さえつけられる。
大吾は麗香の両の乳房に愛撫を与え好き勝手に弄んでいた。
触れられている部分はさらに痺れ、熱を持ち、甘い疼きが麗香を襲う。
「あああッ・・・たっ、たまりませんわあッ・・・くはあっ!はああああっ!」
大吾は麗香の胸の谷間に顔を埋めた。
美乳と呼ぶにふさわしい張りのある白い乳房が吸い付かれるとうっすらと赤くなる。
「アッアアッ・・・ウアァァァァッ」
大吾の唇が、白いなめらかな肌の丘を駆け上がっていく。
麗香の片方の乳首に吸い付いた。ちろちろと舐めあげ、甘咬みする。
(なっなんて・・・まるでっ・・・電流でも流れているようなっ・・・痺れる!)
全身を震わせて麗香が叫んだ。
「あっ!あついっ・・・あついーっ!」

本堂の床に麗香の金色の巻き毛が蝶の羽根のように広げられた。
白い身体は屈強な大吾の肢体に組み敷かれ、覆い隠されている。
だが麗香は負けてはいない。強烈な愛撫に体をくねられて応じる。
全身が火照っている。体の奥が震えるほどうずく。じんじんと響く。
体の中でなにかが燃え、溶け出しやわらかくなる。
大吾が顔を上げた。
「そうか・・・あついか。燃えているなお蝶ッ!」
読経のように言葉が流れる大吾もまた燃えている。
大吾の広い背中からどっと汗が噴き出していた。
力を込めて掻きむしるように絡ませた麗香の腕にも汗が滲んでいるのがわかる。
面白いようにのけぞり体を揺する麗香だった。
麗香を乱れに乱れさせて、ようやく大吾の唇が麗香の乳房を解放した。
「まだまだこれからだ・・・燃え上がれ!生きていることを実感しろっ、お蝶!」
だがすぐに麗香を別な場所で、別な刺激がおそう。
「イィッ・・・アアアアッ!ウアッ・・・そっ・・・そこはあああああッ!」
麗香が上体をはねあげるのけぞった。
全身が雷にでも打たれたかのようにズシンッと衝撃が走る。
大吾の手が麗香の体の下へのばされた。大吾の指の腹が、麗香の下の唇を這う。
「ハアアアアァァァァァァァッ!アアンッウアアアッ!」
指は強引に閉じられた合わせ目に割り込むことはなく、滑らかな肉を丹念になぞりながら
尻の側から体の前面に這い進む。
すでに閉ざされた花弁の内側まですっかり潤っていた。触れられたことでぬかるみが
あるのが麗香自身にも分かる。
「んんっうあっ、なっなんですのおおおっ!これはぁぁぁ・・・あはあっ!」
敏感な肉芽がとらえられた。軽く触れられ芽を包む皮が優しくめくられる。
「ひいいいいいぃぃぃぃぃっ!」


麗香の秘めたる場所、もちろん誰にも触れさせたことのない肉の蕾にに大吾の指が触れる。
ズシリと衝撃が襲った。痺れるような電流が水面の波紋のように広がっていく。
背中を瞬く間に駆け上がり脳天にまで響いた。
大吾はとらえた肉芽の愛撫を執拗に繰り返す。そのたびに麗香は乱れる。
蝶の鱗粉のように、額から、白い裸身のそこかしこから吹き出した汗を飛び散らせて体を揺する。
「うあぁぁぁ・・・ああっ!あぁぁぁぁっ・・・あはあぁっ!」
鳴かないはずの蝶が鳴いている。蝶が獣のうなり声を本堂に響かせる。
大吾が麗香の足を左右に押し開いた。細い足首を掴み、足の裏を床に押しつける。
「うああっ・・・うあああっんっ」
麗香はすでに言葉が出ない。なすがままにそして自らもすすんで両膝を左右に開く。
(あっ・・・あたくしを見て!ご覧になって!桂さんっ・・・!)
大吾が体をずらし、麗香の股間に頭を潜り込ませる。
晒された麗香自身を大吾が見つめる。
「・・・見事だお蝶。充血しているぞ。ぷっくりと赤くなって実が熟している」
大吾の誉め言葉に麗香が笑顔を見せる。
それは麗香がいつも見せる優雅な気品あふれた笑顔とも違っていた。
自らの女に尊厳と持ち、誇りに満ちたうえでの体に自信をのぞかせた淫らな笑顔だった。
麗香の口から信じられない挑戦的な言葉が飛び出す。
「は、はやく・・・いらして・・・うああああッ!」
じらして愉しみたいのか、大吾が秘密の裂け目に顔を埋めた。
「あああッ!ああああーっ!アッアッアッアアアアアァァァァ!」
下半身を舌で責められ麗香が上体を揺する。白い腕が天でもがく。金髪が床を舞う。
「んんっ・・・すごいわねぇ、これはオニグモとシロベニチョウの交歓だわあっ」
自らの下の唇を塞がせた蘭子がしきりに感心してうなる。

蜘蛛が獲物を捕らえる糸は出さずに、蝶の蜜をすすりとっている。
蝶はその白い身体を床に這わせのたうちまわる。
屈強な体を持つ蜘蛛は蝶にのしかかり、思う様弄び蝶をはなさない。
捕らわれの蝶も逃れようとはしない。
可憐な蝶が生きとし生けるものすべてがもつ本能のみにとらわれただ喘ぐ。
生まれて初めて与えられた快感を、恥じることなく包み隠さず表現する。
「うおぅぅぅぅぅっ!うあぁぁぁぁぁ・・・」
麗香は股間にとりついた大吾の剃髪された頭に指を絡ませた。
むずがゆいような生暖かい感触が絶えず移動していく。
舌の先で小突かれ、覆われるように舐め回され、吸い付かれ・・・どこを
触れられても疼くような電流が脳天にまで響く。
「くはあっ・・・そっ卒塔婆を・・・ウォッ大きなそとばをあたくしにぃぃぃっ!」
麗香がわめきちらす。
「桂さんっ!あたくしのおっカラダにいっ・・・そ、卒塔婆を埋め込んでくださいませぇ」
蘭子がこれ以上楽しいことはないというくらいに高らかな笑い声を立てた。
「あはははは、あーっはははは!卒塔婆!」

蘭子の嘲笑にも動じることなく、麗香は体を刺激に任せてくねらせる。
「ははは・・・卒塔婆にはまいったわぁ、卒塔婆ね。供養のためのねぇ
大吾!あんたのマラは余程大きくて高尚とみえるぅ」
蘭子はひとり話し続ける。
「うふふ。竜崎さん、男性器はねぇマラって呼ぶの・・・修行のジャマになる厄介モノ扱いよ」
黒い髪を揺すって蘭子は話を続ける。
「人間は必ず死ぬの。だから生きている間に相手を見つけ交わって子孫を残す・・・生き物
なら当然行うことを戒めるなんて、あたしには信じられない!楽しまなくてどうするの!
悲しいこともたくさんあるのよぉ、動物が生きていてイチバン楽しいことを貶めていったいどーすんの」
(緑川さんのおっしゃることはもっともだ・・・けがらわしい、卑しい、いやらしいとさげすんで
いたことは・・・とっ、とても素晴らしい・・・)
「うおうっ!うぅぅんっ・・・そぅ、そうねぇぇ、あはぁっ・・・」
麗香は喘ぐ合間にあいづちをうつ。
「・・・壊れてしまうのって楽しいでしょ・・・」
勝ち誇った蘭子の笑顔。
引き締まった乳房が、腰の動きに合わせて揺れる。
床に仰向けになっている麗香は蘭子を仰ぎ見た。
麗香は僧にもたれて跨り、腰を揺する蘭子が美しく見えた。
「えっええ、そう・・・そうですわあッ!うわあぁぁぁんっ」
蘭子が読経をとなえはじめた。
「くわぁんじざぁいぃぽぉさぁつぅ」
蘭子とつながっている僧が、ひろみと交わっている僧が、そしてひとり正座を
している僧もまた唱和する。
(あ・・・あなたはっ!このあたくしを待っていらっしゃる・・・)
麗香はひどく感動していた。
「・・・お蝶、生きているということは罪深いことだ」
股間の大吾が顔をあげた。
麗香の裂け目からは液体が湧き出している。


「生きていくために他の生き物を殺して食べ、試合をすれば勝負の結果が出る
・・・生かされているということはそのために殺された命があるということだ」
大吾は身を起こしゆっくりと麗香の上にのしかかる。
「うあっ・・・」
両手首を捕まれ、左右に押し広げられ小さく麗香がうめく。
「お前が、俺が、そして宗方がうちこんだテニスもそうだ。試合をすれば勝負がつく。
勝った者は負けた者の存在を忘れてはならない。人間がこの世で生きて行くと、傷つけられ
誰かを傷つける。なにをしても罪深いものなのだ」
(あっあたくしのテニスはっ!傷つけるだけでなく感動も呼び起こしていたはずですわっ!)
麗香の不満の表情を読み取り、大吾が静かに笑う。
「・・・だが罪深いことを恐れているだけではだめなのだ。喜怒哀楽、すべての感情を受け入れる。
竜崎!卑しい感情も感動も生きているからこそ沸き起こる、人間であることの証明なのだ」
(あたくしにはわからない・・・ああっ!そんなことより!)
燃え上がった欲望を抑えきれない麗香は首を振った。
「桂さんっ、あたくしにはわかりませんっ・・・罪深いからとして・・・あたくしにどうしろとおっしゃいますの」
「生き物としての本能を否定してはならない。本能の赴くままに体験すれば、お前の人生観は深くなる」
余裕のある語りに麗香は圧倒される。
(なんということ!このあたくしがじらされていたとは・・・)
負けた・・・麗香はすべてを悟った。
大吾の語りを自分なりに理解できたか否か、もはやどうでもよかった。
(・・・あたくしは・・・あなたと一刻もはやく交わりたい・・・)
すでになすがままに身をゆだねていた麗香が観念してつぶやく。
「わかりました・・・どうぞお好きになさってくださいませ・・・はあんっ」
麗香が感嘆した大きな大吾の分身が、ぴったりとあてがわれる。
「お前も好きにふるまうんだぞ、お蝶・・・」
「はい・・・」


はじめて男と通じることは快感だけではなかった。
肉の卒塔婆を受け入れると圧迫感と鈍い痛みが走り麗香の眉が歪む。
床に無造作に置いた足の裏に力がこもる。
「・・・うあッ・・・」
麗香が分泌させた蜜はすでにあふれ繋がった花芯の入り口から滴り、充分に潤っている。
地下水が滲み出たようにあふれた岩肌を見せる肉の洞窟に、大吾は大きな分身を
差し込む。
「ふんっ・・・」
気合いの入った静かな大吾の声。
麗香の肉の花びらは左右に押し広げられ、大吾の陰茎にぴったりとまとわりついた。
鮮やかな赤い花弁の肉は分厚く豪華としかたとえようがなかった。
大吾の分身、そそり立った卒塔婆はまさに経文を書き付けた卒塔婆であった。
麗香にとってこの上なく有り難く、そして神々しい卒塔婆が、己の中へもぐりこんでいく。
その違和感に麗香は打ち震える。
「・・・あひいッ・・・」
思わずもれる悲鳴を麗香は必死にこらえる。
「いい顔だ、お蝶・・・」
「くうッ・・・つうッ・・・くあああっ!」
麗香の粘液にまみれ、滑るように棹の部分がのみ込まれていく。
(こっこれが・・・さきほどまでひろみの中にッ・・・なんて・・・大きい・・・)
「竜崎、お前には感謝している・・・」


「・・・はあ?、うあっあぁ、はぁ・・・」
もはや麗香は言葉を発することなく、荒い息を整えながら大吾を見上げた。
「俺は岡に語った。テニスプレイヤーの岡ひろみを生んだのは竜崎、お前だと!
宗方が父ならば、お前は母だ。どちらかが欠けていても、いまの岡は存在しなかった。
・・・死期の近いことを悟り、人生の無常さに疲れ果ていた俺の親友に生き甲斐を
与えたのは・・・お前だ、お蝶!心から感謝している」
麗香の瞳に涙があふれた。
すでにこの世にいない宗方仁のことを思うと涙がこぼれ落ちた。
(あまりにも若くして逝ってしまわれた・・・あの方はさぞ無念だったろう)
若くして病に倒れ、テニスを奪われ、死の恐怖にさらされ孤独に闘っていた宗方。
(ひろみにその愛を告げることなく、妹の情にこたえることは許されず・・・)
こうして自分が肉体を重ねていることさえひどく虚しく感じられた。
(あたくしは生きている!生かされている!)
死の理不尽さを嘆けば、生きることの喜びがさらに際立つ。
無意識に、大吾を含んだ膣にキュッと力がこもった。
予想していなかった得られた快感に大吾が笑みを見せる。
「お前がいなければ、岡はラケットを握ることはなかったのだ・・・お蝶ォォォッ!」
大吾が吼えた。
麗香の体内に打ち込まれた肉のクイが激しく動く。
激痛とは異なる電撃が麗香の体内を駆けめぐった。
「・・・くはぁッ!!あぁぁぁぁぁッ!あッあッああーッ!」
麗香も艶のある叫び声を上げ、吼える。


痛みを伴った破瓜の行為はすぐにおさまった。
甘く激しく突かれる衝撃に何度も襲われて、麗香は快感に酔い、さらに乱れていく。
白い裸身の体の中心の一点が、大吾としっかりとつながっている。
茶筒の芯とふたをぴったりと重ねたように肉と肉と擦り合わせる。
麗香の裸身と向かい合わせに重なった大吾の腰が勢いよく何度も揺すられる。
「あッ!アアアッ!あッ!アアッ!」
麗香の喘ぎは、大吾の律動に合わせてあがり、しかもいつになく甲高い。
どんな辛い練習でも、苦しい試合でもこれほど乱れた呼吸はしたことがない。
最初に塗られた薬のせいで興奮させられたとはいえ、いまとなっては合意の上での
交わりとしか、第三者は理解しないだろう。
なにより麗香は積極的だ。恥じらうこともなく、貪欲に大吾を求めている。
長い両脚で大吾の脇を挟み込み、自らも腰を振り妖しく動く。
両腕を広い背中にまわし、しっかりと抱き寄せる。
テニスも、肉欲の交歓も命がけなのだ。
自身の角度を変えると、大吾の分身が当たる点が変わる。
体の内側を擦られ、突かれる箇所が変化する。
短い交わりの中で、麗香はすでに変化を楽しむことを会得していた。
「・・・さすがだ。竜崎!お前はセンスがいい!ふうううんっ!」
ふたりの全身からさらに汗が噴き出す。
麗香は大吾とつながり、奥まで刺し貫かれたまま、何度も突かれる。
体の中が熱く疼き、ぐちゃぐちゃに溶けている。
その中を大吾の分身が何度もえぐり掻き回す。
「くはあぁぁっ・・・見ているこっちのほうが先にイッてしまったわよ」
額に汗を滲ませ、蘭子が腰を浮かせた。
自らつながっている僧の分身から己を抜き取る。
豪華なランの花芯から白濁した精液がどろどろと滴り落ちる。
蘭子がフフンと笑った。
「ねえ・・・みんなそろそろ相手を交換しましょうよ。ちょっとぉ、
いつまでひとり経をとなえてるつもりなの、アンタ・・・魔羅(まら)
をオッ立ててさあ、はは・・もう、気の毒で見ていられないわ」


蘭子が立ち上がる。全裸の蘭子が立ち上がると、ただならぬ威圧感があった。
弾丸サーブの構えに入り相手を見据えているようで、僧は萎縮してみえた。
「ははぁ、わかった・・・師匠のあとすぐにに竜崎さんと交わりたいのね、アンタ・・・」
「あ・・・その、いえわたくしは・・・その・・・」
蘭子に声をかけられた僧は、口をもごもごさせた。
即座に蘭子の檄がとぶ。一瞬異父兄の宗方を彷彿とさせる早口で厳しい調子だった。
「たくぅ、じれったいわねぇ・・・ちょっと!アンタはねぇ、もっとハッキリものを
いいなさいよ!慎重なのはいいけど、そんな弱気だからいつも試合に勝てなかったのよ!」
きっと加賀高校時代でもこうして姐御風を吹かせていたのだろう、綺麗に頭を丸めた
僧は恥ずかしそうにつぶやく。
「いえ、その最近どうも菊座に興味がありまして・・・苦痛に悶える女人の悲鳴がどうも
聞きたくて・・・想像するとたまらなくなりまして・・・」
蘭子は黙って聞いている。
「そ、それに縛るとか・・・蝋を垂らすとか・・・こう責めてみたくたまりません。皆が
楽しんでいらっしゃるこの場にはどうも志向がふさわしく思えませんで・・・ずっと黙って
おりました・・・」
蘭子はいままで交わり、果てた後もクスリでいまだに股間でいきり立たせてたままの僧に近寄り、
しゃがみこむと耳打ちした。
僧が頷き立ち上がる。ひろみと交わっている僧に近寄っていった。
「なぁにを悩んでるのよ!楽しむのにふさわしいも変態もないわよ・・・あはは」
ひろみとつながっている男が陰茎を引き抜いた。
「アッアッアッ・・・ウッ、ハアァァァ?」
達することなく行為を止められたひろみは呆然としている。
「おたのしみのところすみません、岡さん、今度はわたくしの上にまたがってみませんか」
蘭子の相手をしていた男が、どっかとひろみの前であぐらをかいた。
ひろみの頬がさらに赤くなり目が輝く。
「はっ!はい・・・!」
(ああッ!あなたがただけでっ!なっなにをなさるおつもりなのっ・・・)
「あッうああッ!あッあッウアアアアーッンッ!」
大吾の突き上げにこたえながら麗香も興味津々で仕方がない。
体を揺すりながら、天地が逆さになった状態で様子を伺う。

「アッ・・・ツアッ!アンアァァンッ!」
ひろみは腰を落として、自ら体の中に僧の赤黒い陰茎を含んでいく。
愉悦に満ちた淫らな悲鳴を絶えず漏らすひろみにに、麗香は嫉妬していた。
(ひろみの今夜の相手は・・・これでもう3人目だ。このあたくしが妹に
・・・いえ!むすめ≠ノ先を越されてしまっている・・・なんということおっ!)
麗香の欲望の火が、嫉妬の炎がメラメラと燃え上がる。
「ひいっ・・・!つあああっ!」
大吾が勢いよく、卒塔婆を深く打ち込んできた。
体の奥に響く衝撃に麗香はのけぞる。
「竜崎、なにをしている・・・集中しろ!お蝶!いったことがあるはずだ!
岡には岡の、お前にはお前のスタイルがあると!相手のいるテニスも男と女の交接も
同じだ!比べるな!うおおおおお!喝ーッ!」
大吾の鋭い一喝を合図に、卒塔婆を突き立てる速度が増していく。
「うあぁっ・・・そっそうでしたわあっ・・・ああ!うああ!あっああっ!」
大吾に組み敷かれ、喘ぐ麗香を満足げな表情で蘭子は見つめていた。
「さてと・・・あたしはこっちを盛り上げてやるか」
身につけていた浴衣のヒモと、ひろみを椅子に縛り付けていた縄を手に、蘭子はひろみの背後に近付いた。
ひろみは僧にまたがり、彼の分身を含み、好きに腰を揺すっていた。
蘭子は素早くヒモでひろみに目隠しをする。
「あああっ・・・?きゃああああっ!」
驚いた様子のひろみに構わず、蘭子はひろみに縄をかけて縛り上げていく。
「ああぁぁっ!いっ痛いッ!あああっ!」
ひろみが苦悶の悲鳴を上げた。
ひろみの小ぶりの乳房を上下に挟んでキリリと縄が食い込んでいく。
「あんたはそのまま続けて。岡さんを下から突き上げてやって・・・」
「あっ、つあっ・・・あぁぁんっ・・・」
苦しそうなひろみの声に変化が出た。艶が出て甘えてきた。
両手の自由のきかなくなったひろみが、僧の動きにあわせ上下に揺れる。
「ふふふ、仁の特訓に耐え抜いた岡さんですもの・・・絶対にこのテの傾向がある」
蘭子が目を光らせて冷たい笑みを見せる。


ひろみの乳房は、縄で上下に挟まれ、幾分つんと盛り上がっている。
「ああっ・・・ああんあんっ・・・」
不安を隠せないひろみの声が響く。
それでも体の下から突き上げられると動きに合わせて喘ぎユラユラと不安定に揺れる。
その様子に蘭子は満面の笑みを見せた。
「あたしは・・・仁にテニスを教えてもらった頃が一番幸せだったな・・・
身長のことで悩んで、劣等感のカタマリだったあたしが初めて自信を持って」
蘭子があごを経をとなえた僧にしゃくってみせる。僧が立ち上がる。
「でも仁はあたしには特訓してくれなかった・・・西高に赴任してしまって、
竜崎さんやそして岡さん!あなたを見つけて」
近寄る僧に耳打ちする。
頷いて僧が、ひろみの背中を勢いよくついた。
「きゃあっ・・・」
ひろみが悲鳴を上げる。
自由のきかないひろみを大事に抱え、つながっている僧は床に背中を押しあて仰向けになる。
「はあっ・・・はぁ、はああんあんああぁん・・・」
僧の上に突っ伏したひろみが激しく喘ぐ。
重なったふたりの足下に近寄った僧がちゅうちょした。
「・・・本当によろしいんでしょうか・・・わたくしは仏門にはいってからと
いうものの同性の菊座のお世話になって・・・なんの抵抗もありませんが、
岡さんは・・・」
蘭子が即座に返答した。
「いいのよ。あたしが許可する。いちど知ってしまったらもとには戻れないの、岡さんも
わかってくれる・・・」
「はっはい・・・」
着衣を総て脱ぎ捨てた僧が、ひろみの背後に膝立ちになる。
両手がひろみの後ろの二つの山に乗せられた。
指が谷間を駆け下りる。
「ウアッ・・・ギャアアアアアアアアアッ!」


(なんということっ、ああッ・・・緑川さん!)
大吾と体を重ねる前なら、麗香は地獄絵図だと恐怖しただろう。
麗香自身が逆さに吊され、ひろみが陵辱されていると。
「ハッ・・・ハアァァァンッ!」
目隠しをされ、後ろ手に縛られたままで絶えずひろみは悲鳴をあげている。
下半身のふたつの穴は前も後ろも男根で刺し貫かれている。
ひろみの僧の腹の上にうつ伏せに重なっている。
その膣は下で動く僧の陰茎で貫かれている。
僧が動くたび粘土に水がかけられこねられているような音が立つ。
「ギャッ・・・アアアッ!アアッアアアーっ!」
菊座に興味があると恥ずかしそうに語った僧は、思うさま腰をゆすっていた。
「ああっ・・・同性でも女人でも菊座は変わりませんっ、からみついて素晴らしいです!」
感嘆の声を上げる僧に蘭子はにやりとした。
仁王立ちの蘭子の背後にもひとりの僧が抱きついている。
体のあちこちをまさぐらせながら、蘭子は満面の笑顔をたたえていた。
「そう・・・よかったわね。岡さんもまさか後ろの穴の処女を捧げるなんて
思っていなかったでしょう・・・ふふふ、なかなかによさそうだけどぉっ」
蘭子はくるりと向きを変え、僧と向き合い派手に抱擁を開始した。
(なんて手慣れた様子・・・)
麗香が羨望の思いを込めた熱い視線を蘭子の背中に投げかける。
「ギャアッ・・・アアアーッ!」
ひろみの悲鳴は苦痛に満ちていていたが、麗香もまたそそられる。興奮する。
(緑川さん!あなたはただものではないわ、あたくしの生涯のライバルだけのことはある
・・・あの宗方仁の血を分けた妹だけのことはある・・・あたくしには
こっこのようなこと考えつかないっ!素晴らしい!)
突然麗香の下半身から衝撃が沸き起こった。
「・・・つあっ・・・オオオッ!」
大吾の腰を大きく突き動かした渾身の一撃に、麗香が叫ぶ。
「竜崎!なにを考えている・・・」


呼吸を乱れさせている麗香には大吾の問いにまともな返事が出来ない。
(なっなぜ、あなたは・・・こんなに余裕をおもちでいらっしゃるのおっ)
「・・・おくれをとっていると思っているのか?疎外感でも感じたか?」
麗香は返事が出来ない。
五人の様子になかば見とれていただけに、否定することはできなかった。
麗香の腕を掴む手のひらには汗が滲んでいる。
見上げた大吾の顔も、胸板にも汗にまみれていた。
(それなのにこのように冷静で・・・たくましい・・・)
「・・・いったはずだ。他人と比べるなと。己を見下し優越感にひたることも、
逆に理不尽さを嘆くなり、嫉妬するのもそれはお前の感情だ。すきにしろ・・・
だがいずれも心が貧しくなるだけだ、荒むだけだ
・・・やめろ竜崎!健康で生かされている自分に自信を持て!あらゆることに
感謝しろ!」
(ああそうだ、あたくしはなにを迷っていたのだろう・・・)
麗香は足を開き、自ら白い両脚を大吾の背中に絡みつかせた。
「ううっ・・・」
ひきしまったふくらはぎに大吾の背中があたる。汗がべっとりとはりつく。
「ぉぅぅあぁっ・・・」
体を動かすと、肉壁を擦られる場所が変わった。自ら動いて得た、鈍い痛みに麗香がうなる。
「そうだ・・・自ら動いていけ!与えられるだけではだめなのだ!自ら求めていけ!ふおうっ!」
「ウアッ・・・アアッ、ウアッウアアアッ・・・」
大吾の突き上げる速度は自在に変化する。
リズムに合わせ、つながった部分からねちょねちょと音が立つ。
麗香もそれにこたえて声を張り上げる。
薄い金色の茂みが自ら流した露で濡れそぼっていた。
すでにひろみと体を重ねた大吾の分身は、いまだ勢いを失ってはいない。
麗香の体の中を掻き出すようにえぐる。
その分身を麗香は力を込めて締め付ける。


「くあっ・・・かんじざいぼおさあつう」
麗香の体の中にその身を沈ませたままで大吾が経を唱え始めた。
耳を傾けずにはいられない力強い響きに麗香は圧倒される。
「ぎょうじんはんにゃあはあらあみったじぃ、しょうけんごうんかいくぅぅっ」
経の流れと同調したリズムで大吾は力強く、何度もはげしく麗香の中を突く。
「どいっさいくやぁぁぁぁぁく!」
本堂に読経が響き渡る。
大吾が上体を突然起こした。乱暴に麗香の腰を引き掴むと軽々と持ち上げる。
すさまじい衝撃に麗香は絶叫する。
「・・・あああああああっ!!・・・」
叫ぶ麗香に構わずなんと大吾は結合してい分身を軸にして麗香を反転させた。
「くあぁぁぁぁぁっ・・・」
焼けつくような鋭い衝撃が麗香の体の奥でかけめぐる。
白い背中を大吾に向けて、麗香はのけぞる。
大吾とつながったままで勢いよく床に投げ出された。
美しい肢体が床に這いつくばされ、乳房が床に押しつぶされる。
だが大吾は容赦しない。すぐさま乱暴に麗香を膝立ちにさせる。
「・・・四つ足の動物はこうして交わるのだ。メスの上にオスが後ろから
のしかかるのだ・・・お蝶!己の手足でしっかり己を支えろ!お前が自分を支えなければ
快楽は得られないっ・・・たかまってもいかないのだ!」
大吾が引き締まった腹を麗香の尻にはげしく打ち付ける。
大吾の前面に晒された麗香の尻まるで白桃のようにまろやかで優美な線を描いていた。
ぺちぺち、ぱんぱんっ、ぐちゃぐちゃと、肌が触れあい、肉の交わる淫らな音が立つ。
「あっ・・・あああっあっあっああああっ!アアアアッ!」
見えない後ろから貫かれ、わきあがる圧迫感に麗香は悲鳴をあげるしかない。
両足に力を込め、天に向かってただ喘ぐ。
のばした両手を床に押しつけ、大声を上げた。
「はあっ・・・すごい・・・すごすぎますわあああ!はあああんっ!」


天と地が逆さまになっていた麗香だが、元の状態に戻って五人の様子が目に入る。
蘭子と交わっていた僧が達した。
向かい合わせで立ったままつながっていた蘭子ががっくりと肩を落とし、長身の体を僧に預ける。
(緑川さん、あなたはもうなんど精を体の中で受けたの・・・)
本堂に漂うつんとした異臭。このすえた香りは栗の花の香りに似ていた。
「うああっ・・・ああっ!あああ・・・」
大吾の肉の卒塔婆に突かれ、体の中を掻き回されながら麗香の視線は五人に注がれる。
「ふっふう・・・今夜はとびっきり楽しいわ。ホント興奮する・・・」
汗にまみれ、精液を内股に伝い落とした蘭子は清々しそうだ。
「大吾にはじめて抱かれたときは・・・あたしも思いつめていて、おかしくなっていた
から・・・あれで救われたのよ。あたしは迷いが捨てられた。たったひとりの兄貴を
愛していた、それでいいじゃない。仁の死を惜しむ人に妹がいてもいいじゃない」
麗香と蘭子の視線が絡み合った。お互い驚くほど優しい視線だった。
(あなたも・・・ずいぶん苦しんでこられたのね・・・)
蘭子はひとり笑って前後の穴を塞がれたひろみに話しかける。
「・・・ねえ岡さん、痛みと快感って紙一重だと思わない?」
「うううっ・・・あああっ!」
ひろみはただ喘ぐだけで返事をしない。
「中で動いてもらわと熱くならないでしょ、燃えないでしょ・・・ふふふ」
蘭子の視線が鋭くなった。
「痛みで興奮するか、感じるか試してみよう・・・」
全裸の蘭子が、燭台を手に取った。
(どんなことをなさるの、緑川さん・・・面白い趣向でなくてはこまりますわ。
あたくし、期待していましてよ)
すでに麗香は人の道から外れた、畜生に成り下がっていた。
目隠しをされたひろみは近付く蘭子の足音を聞き取り過敏に反応する。
「ははは・・・素直に感じなさいな」
燭台を傾けた。ひろみの鎖骨のくぼみにポトリポトリとにろうを垂らす。
「ギャアッ・・・うぎゃああああああっ!」
つんざくようなひろみの悲鳴が本堂に響き渡った。
その様子を麗香はうっとりとして見つめていた。信じられない言葉が漏れる。
「ああ、あたくしもおっ・・・ああっ!」


蘭子はろうの熱さに耐えきれずわめき散らすひろみから、視線を麗香に移した。
勝ち誇った表情に鬼神に似た近寄りがたい怖ろしさと同時に美しさを感じた。
「どうしたのよ、竜崎さん・・・はは、後ろからオニグモに絡め取られてなぁに
騒いでいるの・・・」
蘭子が歩み寄る。しょく台のろうそくの火がゆらゆらと動く。
「認めなさいよ・・・あなた自身で。自分は変態だって、さげすんでいたことに
興味があるって、やってもらいたくてたまらないって、おねだりしてごらんなさいよ」
「ぅぅぅぅ・・・」
麗香の返事を待たずに蘭子は膝立ちになり、麗香の唇に自らの唇を覆い被せた。
麗香の舌と蘭子の舌が絡み合う。唾液が注ぎ込まれる。
(柔らかくて、温かくて・・・かっ桂さんとなにもかわらない・・・)
麗香もまた積極的に蘭子の舌を求め絡ませる。
息が苦しくなるほどに唇を重ねて吸い付きながら、蘭子が手にしたしょく台を
麗香の白い背中に垂らした。
焼けつくような熱さの痛みが背中の一瞬に集中する。
水からすくいあげられた魚がはねるように、麗香の背中がうねる。
「・・・んぐぐっ!うぅぅぅっ!んんんんっんんん!」
苦しそうに麗香がうめく。それでも唇に吸い付きはなそうとはしない。
息が苦しなるほど唇を重ねあった後、蘭子が己の顔を引きはがした。
「はんっ、たいしたもんだ・・・高貴な人ってどんなに乱れても美しいのねっ
いや・・・貪欲なんだ。まいったわぁ」
蘭子が笑い声を立てた。
麗香の頭は熱に浮かされたようにぼんやりとしている。
汗が噴き出した体は火照り、大吾の肉の卒塔婆を含んだ体の奥がずんずん疼く。
「あああ・・・もっと、もっとぉぉぉぉ!」

高貴な人と賞賛されたばかりの麗香が、信じられないほどの大声を張り上げた。
「え?どうしたの、竜崎さん・・・」
意地悪い調子で蘭子が問いかける。
汗の滲んで額に貼り付いた麗香の前髪をなでつけ微笑みかける。
「もっとどうしてほしいのよ・・・」
麗香の優雅な唇が小刻みに震える。
「あっ・・・あたくしをもっと、責めて・・・あたくしだけをっ、せ、責めてくだ・・・
さい・・・お、お願い、します・・・」
よだれを口元に浮かべ懇願する麗香をまじまじと蘭子は見つめる。
蘭子が立ち上がった。
本堂に雷鳴のようなすさまじい笑い声が響いた。
「あはははははははは!はははははははは!ついに本音をさらけだしたわね!
竜崎麗香!お蝶夫人!あたくしだけっですって!はははは!」
黒々とした蘭子の茂みを見上げ、麗香は喘ぐ。
大吾が読経を唱えながら、麗香を再び激しく突き上げる。
「あははぁ、あたしはあなたが大好きよ、竜崎さん・・・ようやく素直になってくれて
うれしいわあ。あたしはあなたがうらやましかった。あなたはなにもかも
秀でていた。なにもかも恵まれていた・・・」
「うぅぅぅっ!あっ!ああっ!」
麗香が読経の流れに同調して喘ぐ。蘭子の語りは止まらない。
「あたしもね、経済面にはなんの苦労もなかった。母も父も優しくて、両親にかわいがられて
・・・あのことを知るまではね・・・」


「そうよ、あたしはテニスを教えてくれた仁が初恋の人だった。でもねその
仁とこのあたしが異母きょうだいってのは本当にショックだった。ねえ、
竜崎さんあなたにわかる?大好きな両親が乱れた外道だったとしたら、仁と
そのお母様にひどい仕打ちをした張本人たちだとしたら・・・」
蘭子が本堂の梁がむき出しの天井を睨んだ。
「・・・その結果この世に生まれたのがあたしよ。いったい人生何が楽しいのよ、
何が正しいのよ・・・」
相手の心情など、当事者本人の境遇になってみないとわからない。
だが麗香は蘭子を思いやりいたたまれなくなっていた。
(あたくしも心ひかれていたのですから・・・)
蘭子が顔を勢いよく振った。
「でもね、自分の出生をいくら疎んじたってどうにもならないってわかったの。
ここにたどりつくまで時間はかかったけどね。大吾にはずいぶん慰めてもらったわ」
麗香を背後から突きながら流れる、大吾の経の音が神々しかった。
「・・・竜崎さんってちっとも自分のお母様のこと話さないわね。テニス協会の理事で
あるお父様とはいつもご一緒しているし、尊敬もなさっているし。でもお宅にお邪魔しても
お母様は姿を現さない。テニスに関係がある方とはおつきあいなさらないのかしら」
意外な蘭子の問いに麗香は眉を寄せる。
「竜崎さん、あなた自身がすでにひとりの女性として自立していらっしゃる
からでしょう。テニスで師と仰ぐお父様の竜崎理事には頼られても・・・
お母様には依存していない・・・」


ゆっくりと話しかけながら蘭子が体勢を変えた。
肘から下を床に押しつけて、自らの体を支えている麗香の顔面ににじり寄る。
両膝を曲げて両足を左右にぐいと押し開いた。相撲の力士が股割をした格好だ。
蘭子の女陰が麗香の眼前に晒される。
「んんっ・・・」
麗香の鼻の先ににつんと僧の放った精液のニオイが立ちこめた。
同時にリンゴの果実のような甘い香りもする。
蘭子の裂け目は露のように液体にまみれてらてらと輝いていた。
赤い肉の花弁の奥から精液と愛液のまざった白い蜜がとろりと伝い落ちる。
ヒクヒクと花弁の合わせ目が収縮を繰り返す様に麗香は見惚れた。
「あああ・・・」
「・・・しきそくぜくううううぅぅ」
麗香はただ震えて見つめる。
大吾は動きを止め、張りのある声で読経を続けていた。
「どんなに素晴らしい人間であろうと、どんなに完璧な人間だろうと・・・
もっているものはみぃんなおんなじよ。あなたは自分が完璧すぎて、気にもとめない
お母様のここに、おマンコにぃ!あなたの偉大なお父様がマラを突っ込んでぇ、この世に
生まれたのがあなた。よおっくご覧あそばせ。肉ビラがの大きさや色やカタチが
違っていてもあなたもあたしも、あなたのかわいいひろみも女なら同じの持ってるの」
下品な蘭子の言葉が実に心地よい。
(本音を語る素直さをあたくしは忘れておりましたわ・・・)
「おっ、おっしゃるとうりですわ、みっみどりかわさん・・・いえ、いいえ」
麗香が顔を上げ潤んだ瞳を蘭子に向ける。白いのどを突き出す。
「・・・ら、らんこ・・・さま・・・」
背後の大吾の口もとが弧を描いていた。蘭子も静かに微笑む。
「あっ・・・あぁ」
麗香は喘ぎながら大きく頭を垂れた。蘭子が笑いかける。
「うふふ、なんて殊勝な態度なの、あたくしとってもうれしくてよ・・・さあ、
どうぞなめてくださいな、お蝶夫人・・・」


麗香は普段ならば、明るい陽射しの中を…そしてテニスコートを、豪華に優雅に空を舞う白い蝶のようだ。
その蝶が乱れて今は床に這いつくばっていた。
鮮やかな赤い肉の色をみせる下の唇はオニグモとつながっている。
オニグモの太い欲望の塊を肉の唇で隙間なく挟み込んでいる。
「しんむぅけいげぇえ、むけいげこぉ、むうくふぅうう・・・」
オニグモはつながった蝶の背後から何度も何度も突く。
クモの大吾がはなつ静かで力強い読経の音とともにぬちゃぬちゃと音が立つ。
「ふおっ・・・ぐううむぅぅ・・・」
鳴くはずのない蝶がくぐもったうなり声を上げていた。
つややかでこれまた鮮やかな赤い唇はカマキリの股間にとりついていた。
ズズーズゥッと水と柔らかい肉がこすりあうような音が立つ。
「うおう!・・・うぅっ、つあああっ・・・」
カマキリが鋭い鳴き声をあげて天を仰いだ。
蝶はカマキリの赤く切り立った肉の裂け目に、その上品な顔を埋める。
赤い肉の岩肌に唇を這わせる。
粘りのある液体が、顔面のあちこちに付着する。
それでも懸命に顔を埋め、舌を突き出しべろべろとなめとる。
崖の下をのぞき込んでいるようだった。どこまで舌をのばしても崖の底にたどり着かない。
麗香はあやしいカマキリが滴らせる蜜を余さず舌ですくい取る。
カマキリと交わった僧たちの流した精液とカマキリの滴らせる愛液を丁寧に舌と唇で
すすり上げる。
カマキリが人間の言葉を発した。カマキリは蝶と同じメスの蘭子だった。
「くはあっ!・・・竜崎さん、あなたセンスが良いのねえっ、気持ちが良くて
たまんないわあっ!ぐふうっ・・・」
本堂の床を踏みしめる蘭子の足が震えている。忍び込ませた舌の奥から甘酸っぱい
蜜がまたあふれてくる。
(・・・喜んでくださっている・・・蘭子さま・・・)
麗香は心底うれしかった。


「うあああぁっ・・・あぁぁぁあはぁぁぁぁんっ!もうっ最高ぅぅぅ!あははは」
猛獣が遠吠えするように蘭子の声が響き渡る。
うなり声の後に勝ち誇った満足げな笑い声が本堂にしばらくこだました。
大吾の力強い経の音。
それにつづく弟子たちの一心不乱の迷いのない懸命な読経の声。
ひろみがすすり泣くようにあげるなまめかしい嬌声。
口を塞がれた麗香のくぐもったハミングのようなうめき声。
そしてびちゃびちゃとあがる水のはねる音。
ぺちぺちとしまった肌と肌が絶えずぶつかりあう音。
それらと違うリズムであがる甲高い蘭子の笑い声。
・・・信仰篤い高尚な声とハレンチ極まりない淫らな声と音が不思議なほど一体に
なっている。
麗香は息苦しくてたまらない。蘭子の女陰で、肉の裂け目に顔を塞がれている。
顔はぬめぬめとした蘭子の体液にまみれている。
床に這いつくばり、床の面と当たる両膝の頭がこすれて痛い。
なにより体の内側から絶えず圧迫されこすられる。
その刺激で体の奥が甘く疼いた。全身が痺れた。熱く燃え上がった。
大吾からだけでなく自らもこすられる場所を変化させられることに自然と
気がついていた。
麗香は前後左右に激しく腰を振る。
大吾を受け入れ、つながったままの膣口を力の限り締め上げる。
「あははは・・・あーっははは・・・あたしはもうだぁい満足よぉぉぉ」
けたたましい笑い声を上げながら蘭子が立ち上がった。


「うはあぁぁぁっ・・・」
麗香の顔面全体で勢いよくこすりあげられる状態になり、蘭子は愉悦のうなりを
上げる。
突然新鮮な空気が、麗香の口に、鼻に浴びせられる。
「はあっ・・・はぁはぁはぁぁ」
肩が床に崩れ落ちる。そのままぜえぜえと息をする。
床におしつぶされた柔らかな白い乳房はせわしく動く。
麗香はあまりの爽快さに震えながらのどをならしてつぶやいた。
「あぁぁぁ・・・あ、有り難い・・・こと・・・」
自分は、生きているのだ。麗香は痛感していた。
(この空気がなければ、あたくしは存在すら出来ない・・・なんということ!
あたりまえに存在するものがありがたい・・・卑しい感情も淫らな欲情もすべて
受け入れられる・・・)
いまの麗香にはすべてがいとおしかった。
麗香自身を貫いている大吾も、
変態趣味としか思えない菊座との交接を喜ぶ僧も、
すでに数人と交わり、いまは前後の穴を塞がれてあえぐひろみも
そして好色地獄にたたき落としたはずのの鬼女蘭子も
いまここにいるすべての人、そして麗香自身もおなじ人間であると
生かされているものとかけがえのないすばらしいものに思えた。
「アアッ!あああぁっ・・はぁはぁ、すてき・・・すばらしぃぃ・・アアンッ」
なおもつながった大吾からの突き上げにこたえうめく麗香の姿に
蘭子は快心の笑みをこぼす。
「のうじょういっッさぁぃくううう、しぃんじぃっふぅこおおおお」
気合いの入った経の音を蘭子が唇からこぼす。
麗香は一糸まとわぬ全裸の蘭子を見上げ、羨望の視線で見つめた。
麗香の眼には熱に浮かされた病人のように、血走っている。
いつもたたえた聡明な輝きはそこになく、炎のように燃えている。
激しい欲情をたぎらせてぎらぎらと妖しく輝いていた。


経をとなえながら蘭子が声を張り上げる。
「・・・マッチポイント!アドバンテージ!桂!」
・・・麗香は何度このコールを聞いたことだろう。
竜崎アドバンテージ!自分の名を呼ばれないことは本当に僅かでしかなかった。
(こ、今回は・・・あたくしの・・・負け・・・。未知の世界へ・・・いざなっていただいた・・・)
麗香は納得していた。
蘭子は振り上げた腕をすぐに僧たちに向けてくねくねと手招きをしてみせる。
ひとり経を唱えていた僧は、うやうやしく蘭子に一礼する。
ひろみの背後にとりついていた僧が、向かいの僧と頷きあう。
ずるりとひろみの菊座にめり込んでいた男根を引き抜いた。
「・・・あたしはどっちでもいいわよ。あんたの好きになさい、うはあっうお」
近寄る僧に蘭子は片足を振り上げ、巻き付かせる。
(か、歓喜天がここにもいらっしゃる・・・)
腰を揺すり、唇を相手の体で塞ぎ
お互いの足を腕を絡みつかせて歓喜の極みへとすぐにのぼりつめていく。
(あきることなく交わっていたいのね、すばらしいわ・・・)
「あっああ・・・ああっ、つあっ・・・はぁぁん」
体の中をえぐる振動にあわせ麗香はただ喘いでいた。
「・・・いや、蘭子・・・俺は負けているかもしれん・・・」
麗香にとって衝撃的な大吾の言葉だった。
「はぁっ・・・!」
思わずガバと上半身を起こし、背中越しに振り向く。
勢いで乳房がぷるぷると揺れた。


「お蝶、お前は感度が抜群に高い・・・」
大吾は両手をのばし麗香の乳房を突然とらえた。
「アァァァァッ!」
麗香が背をそらせる。
蘭子の体液にまみれた唇から尖った喘ぎがこぼれた。つややかな唇がてらてらと
輝いている。
大吾は両手で麗香の胸のふくらみを揉みしだいた。
指が白い乳房にに食い込み、むにゅと指と指の間からはみ出す。
「アアッ・・・ハァァァンッ、ハァッ・・・アアッアアァァッ」
乳首への愛撫も激しい。どちらかの乳首がいじられる。つまみあげ、ひっぱり
あげる。麗香は刺激に合わせて喘ぐしかない。
「・・・はじめてのちち繰りあいでここまで反応するとは・・・ふうううっん」
揺れるふたつの乳房は美しい逆三角形の形を成している。
秋に豊かに実り垂れ下がったブドウの房を思わせる。
本当にブドウの実ならばその皮が裂けて、実を落としてばらばらになってしまえと
ばかりに、力を込めて揉む。
「それに・・・この・・・」
大吾がつながったままで麗香をぐいと自分の側に引き寄せた。
「・・・はぁぁぁぁぁあっ!」
麗香が絶叫する。
体の中からえぐられる圧迫感が熱くそして心地よい。
大吾との接点は肉の内壁を突き上げ擦り揚げて移動していくのがわかる。
尻を突き出して、貫かれていた状態から今度は大吾に後ろ向きにもたれ
座った体位になる。
「ああああ・・・はあんっはあっ・・・も、もっと・・・はあああっ」
麗香は腰を揺すった。
大吾の屈強な胸に麗香は背中をこすりあわせていた。
「破瓜の行為のすぐ後でここまで動けるとは・・・本能で快感をどうすれば
得られるのかわかっているのだな、さすがだお蝶!お前は最高だ!舞え!俺を含んだ
ままで舞え・・・うおおおおおおおお!」


大吾は気迫のこもったすさまじい叫びを発すると、麗香を背後から抱きかかえたまま
で立ち上がった。
「・・・くああああああああああっ!」
麗香が絶叫する。激しく腰を動かす大吾に負けじとばかり、自ら腰をくねらせ
尻を大吾の引き締まった下腹に打ち付ける。
「こせつはんにゃぁはぁらぁみったあ・・・腰の使い方もさることながら・・・
どうだ!このしまり具合はあっ!肉ヒダのきめ細やかさはあっ!お蝶っ!」
読経と麗香の下半身への賛辞は、激しい突き入りとともに続く。
「奥の壁のざらつき具合はあ!お蝶!」
「あああああ〜っ!あっあっあああ〜!」
麗香は白い喉を突き出し、ただ絶叫していた。
肉の卒塔婆に肉の花弁がまとわりついている。
その様はまさに豪華に咲く赤い牡丹の花を思わせた。
花札で蝶がまとわりついている見事な牡丹の絵図だった。
蝶そのものにたとえられる麗香が、見事に淫らな牡丹の花を咲かせているのだ。
「・・はああああああ!くはあああっ!」
突然瞳に涙をにじませていた麗香が体をぶるぶると震わせて絶叫した。
大吾と繋がった部分から勢いよく液体がしみ出している。
足を伝い、床にボタボタと落ちて水たまりを作っていく。
「・・・はああっ・・・」
麗香ががくりと肩を落とし頭を垂れた。口元にはよだれも滲んでいる。
「きゃははは・・・ねえ、これってもしかして潮を吹いたんじゃない・・・
あたしもはじめて見たけど、お小水とは違うわよ。すごいわねえ、初めてでイッちゃったのねえ!
コーチにイカせてもらうなんて素敵じゃない、竜崎さん!あははは!」
蘭子のはしゃぐ声が麗香には不思議と心地よかった。


「もう、いいだろう。竜崎・・・」
さすがに息を弾ませて大吾が静かに切り出した。
「お前もそして俺もベストを尽くした」
「・・・いいえ!」
麗香は顔を激しく振る。汗が左右に飛び散った。
「こっこのままでは・・・!あたくしはいやです!・・・歓喜天は向かい合って交わっているもの
ですわっ!後ろ向きなどあたくしは納得できませんっ!」
麗香は白い両手足を抱きかかえられたままでバタバタと動かした。
クネクネと動くさまは千手観音の仏像の手が動き出したかと見まごうようだった。
「・・・はあ、お蝶夫人・・・きれい・・・コーチといっしょ・・・な、んて・・・素敵」
蚊の鳴くような息も絶え絶えのひろみの声が麗香の耳に入った。
麗香よりさきに女にされ、前後の穴の処女を失ったひろみのほめ言葉だった。
(なんてかわいい・・・ひろみ!)
ひろみへの愛しさを再認識しつつ麗香は背後の大吾に懇願する。
「桂コーチ、あたくしは存じております・・・あなたが草を引き抜き、小石を
丹念に取り除いて管理していらっしゃる、あのお寺のテニスコートを」
僧の一人と体を重ねながら、蘭子は耳を傾ける。
「あのコートはひろみのためだけでも構いません・・・ですがテニスを愛する者には
あのコートを使わせてくださっていらっしゃいます」
大吾は何も答えない。
「テニスを愛し・・・宗方仁を愛し、そしてひろみを愛しているこのあたくしへもお情けを・・・
どうかお願いいたします」
今までにない殊勝な麗香の懇願に大吾は無言で頷く。
「ぎゃあてぇぎゃあてえ、はらぎゃあてえぇぇ」


大吾は経を唱えながら、麗香の両脇をかかえ、そのたくましい両腕を伸ばした。
貫かれていた麗香がゆっくりと、引き抜かれる。
麗香の感嘆した肉の卒塔婆が姿を現す。
大吾は器用に麗香をつり下げた状態で体の向きを反転させてやった。
(なんてたくましい方なの、桂さん・・・)
向かい合わせになるといやでも麗香の前に肉の卒塔婆が晒される。
(ああ・・・この大きな卒塔婆が今まであたくしの中に・・・)
懐かしさにも似た感動が麗香の心を満たす。
初めて受け入れた破瓜の痛みも、麗香はすでに忘れていた。
さまざまな体液にまみれてしまった内股に、新たに微量の鮮血がにじんで重なり、伝い落ちていることも
気がつかなかった。
歓喜天と同じ体位で交われることに興奮していた。
(ああっ!なんて待ち遠しいこと!)
息が乱れる。荒い息づかいをおさえることなど到底できなかった。
大吾は無言で繋がる一点に照準を合わせていく。麗香の体が大吾に近付く。
麗香の豪華にそして淫らに肉の花弁を開いた膣口と、いまだ衰えを見せない卒塔婆の先端がふれあわん
ばかりに近付いた。
「はらそおぎゃてえええええええ!」
大吾が両手を放す。肉の卒塔婆で麗香は刺し貫かれる。
自らの体重と重力が繋がった一カ所に集まる。
「・・・・くはあああああああああっ!」
絶叫しながら麗香は長い両脚を絡ませ挟み込み、大吾をきつく抱き締めた。

「くおおおおおおおおおおおおおーーーーーーっ」
激しく打ち付ける雨の音すら、大吾の読経の音がかき消す。
麗香を抱きかかえ、どっかと立ち上がったまま大吾の腰は揺さぶられる。
「ああああ!あっあっ・・・あああああああっ!」
大吾に刺し貫かれたまま、麗香もまた腰を深く揺すり、なんども大吾の体に打ち付ける。
「むしきぃぃぃぃ!むじゅそおぎょうしき!むげんにびぜっしんいぃ!
むしきしょうこうみそくほおおおおおお!むぅげんかい!ないしむいしきかあああい!」
大吾の渾身の魂の叫びともいえる高らかな経の速度が増していく。
「ああああああっ!あっあっあっあっあっ・・・はあああああんっ!」
大吾とつながっている麗香の叫びの速度も増していく。
ふたりの声と腰の律動は同調していた。
喘ぎと読経の叫びと腰の動きは激しくなり、肉の卒塔婆の反復速度が増していく。
「アッアッアッアッ・・・・アアアアアア!・・・・・」
「・・・・ウオオオオオオオオオオオオオ!」
すさまじい叫びとともに、大吾が麗香を引きはがす。
麗香の白いからだが本堂の中を舞った。
そして麗香の愛して止まない卒塔婆の先端から白濁した液体が噴水のように勢いよく
ほとばしる。
それはとどまるところをしらずあふれ、向かい合わせの麗香にびちゃびちゃと降りかかる。
・・・麗香の汗にまみれた白い額。振り乱され、汗にぬれた豪華な金髪。
普段は高貴で上品な美しい顔。汗すら香る、ふたつのかたちよく膨らんだ乳房
引き締まった腹にむっちりと肉付きの良い太腿から長くのびた足・・・
麗香の全身に白い泉がわき出て細い滝の流れとなって幾筋にも伝い落ちていく。
「はあっ・・・」
麗香に言葉はなかった。大吾の経が止まる。
「・・・はんにゃしんきょうおおおおお」
大吾に両脇をしっかりと支えられ、麗香はがっくりとうなだれた。
「また子種の殺生をしたもんだ。弟子の選手生命のためとはいえほんとうに罪深いわねェ、大吾お」
蘭子のはしゃいだ声に、大吾は反応しない。麗香を抱き上げたままで、今度は静かに読経を唱えはじめる。


竜崎麗香は充実した日々を、かつてのコーチであった宗方仁の親友桂大吾の寺
で過ごしている。
ライバルであり親友である緑川蘭子とともに。
そして麗香に追いつき追い越し、限りない高みへ飛翔している妹であり娘である岡ひろみと。
本堂とテニスコートを皆で掃き清める日々だ。
寺のどこでも、そして誰が相手でも人生のすべてをかけてぶつかりあっている。
朝から晩まで、それこそ寝る間を惜しんで人間として生きている。
裸と裸になり持てるすべての力を持って、相手に挑んでいる。
(こんどここからおりたとき、お父様はきっと驚かれるに違いない・・・)
成長し、オンナになった娘である自分を包み隠さず見てもらうのだ。
想像するだけで、体の奥が熱くなり、温んだ生暖かい液があふれてくる。
(・・・お父様だけなんてそれはもったいなくってよ)
いや、竜崎理事だけでなく藤堂でも尾崎でも千葉でも誰でも構わない。
コートの上ではラケットを握る麗香のグリップに、
卒塔婆と化したイチモツを握るグリップに、すすり上げる舌に、締め付ける
膣口の筋肉にあらん限りの力がこもる。
(これからもあたくしはどこでも舞っていましてよ・・・)
竜崎麗香の優雅の肢体は今まで通りテニスコートで、そしてどこででも相手が
誰とでも激しく舞っていることだろう。
(見ていてくださいませね、宗方さん!皆々様っ!)

       完